26種もネタやおかずが乗った「びっくり丼(普通)」約1.3kg!

注文すると、大将が寿司桶にシャリを敷き詰めたのち、ガラスケースの中にあるネタを取り出してどんどん載せていきます。「今日は玉子、マグロの中落ち、釜揚げしらす、中落ちの佃煮、大根の葉、タクアン、キノコとピーマンの炒め物、カニカマ、青海苔、イワシ、クラゲ、白魚、イカの耳と軟骨、カンパチ、鯛、平目、サーモン、甘エビ、磯つぶ貝、タラコ、イシガキダイ、赤貝のヒモ、コハダ、数の子、イクラは入る時と入らない時があるね」。
オケからはみ出るほどのネタやおかず。イクラがこぼれ落ちそうでこぼれない、ギリギリ? 絶妙なバランスを保って目の前にやってきました!

早速計測。直径26cmの寿司桶で高さ約16cm、重さは1290g(器の重さを除く)。ということは、おそらくシャリ700gのネタ600g弱? 大盤振る舞いすぎる圧倒的なボリュームです。あら汁を入れればおそらく1.5kg。普通を頼んでトータル約1.5kgって。「びっくり丼」の名に恥じない重量感。そしてデカ盛りお約束の質問。これ、どうやって食べればいい?
「一緒に小皿を出すので、取り分けて食べるといいですよ」。と女将さん。醤油の小皿のほか、移し替え用のお皿も出してくれるので、一度ネタを移動し、シャリが見えたところで食事開始です!

こんなに種類があると、どれから食べれば正解、なんておそらくない。上にあるものからどんどん食べていきます。「うちは川崎の市場に車で行って仕入れているんだよ。『びっくり丼』は仕込むのも大変なんだから。内容は仕入れによって毎日変わるね。冬場はやっぱり冬に旬の魚介類、寒くなると美味しくなるネタが中心になるんだよ」。
約1.3kgの丼を完食するためのコツ、アドバイスを大将に聞くと一言「食える人は食える!」ときっぱり。完食できる人は最初の一口から全然違うそうで、すごい人だとまるで飲み込むようにすっすと食べていくとのこと。トータル6合の大盛りでも20分ぐらいで完食していくそうです。

店主のキレのいいトークを、女将さんがフォローする、明るくてアットホームな雰囲気の『幸寿司』。3人以上は事前予約が必要です。「奥に50人入れる宴会場もあるからね。一橋の学生さんはわかっているから、前もって電話くれるんだよ。じゃないとゴハン炊くのが間に合わないからね」とニッコリ。確かに学生50人が一気にきたら、シャリの準備だけですごいことになりそうです。
夜は学生だけではなく、一橋を卒業したOB、OGもフラッと訪れ、カウンターで常連客と世代を超えたトークを楽しんでいるとのこと。おそらく、大将のカラッとした口調と、女将さんの柔らかな雰囲気が、訪れるお客さんを楽しませているんだと思われます。
26種類もあるので、食べ飽きるなんてことは一切なく、そしてシャリだけ残るようなバランスの悪いこともなく、どんどんいけちゃう「びっくり丼」。種類とネタの内容はその日次第、なので、シーズンが変わったらどんな魚介類になるのか、また来るのが楽しみになるデカ盛り丼でした!
(取材・文◎いしざわりかこ)