ご飯が無性に欲しくなる超濃厚な味わいに悶絶

からあげは1個が40~50gほどと大きめサイズ。まずは醤油から実食です。カリッカリの薄衣に、やさしい弾力を感じる肉。たしかに味付けはかなり濃いめ。いやむしろ強烈なまでの味の濃さ。もちろん不快な感じはまったくなく、思わず「ご飯ください!」と言ってしまいたくなるような味なのです。

作り方を聞いてみると、砂糖やみりん、麹などが入った漬けダレと、醤油やニンニク、ショウガなどの漬けダレに別々に漬け込んだ後、バッター液を絡めて粉をつけて2度揚げするとのこと。ものすごい手間のかかりようです。そこまで時間をかけていれば、味がガッツリ染み込むのもうなずけますね。ひと噛みしただけで、肉の旨みと漬けダレの濃厚な風味が弾けるように口の中に広がります。
塩味が際立つ旨塩からあげも絶妙に旨い

一方、秘伝の塩ダレにじっくり漬け込んだという旨塩は醤油に比べてあっさりはしているものの、塩の旨みが濃厚です。とにかく塩味が際立っており、真夏日に汗をたっぷりかいたあとの塩分補給にぴったりな印象です。これから暑さが厳しくなりますが、この旨塩からあげは、ビールのお供にもぴったりだと思います。

さて、こちらは味変用のソースが5種類あります(各130円)。特濃タルタル、チーズガーリック、紅生姜マヨネーズ、ハニーマスタード、四川風香味ダレのうち、筆者は一番人気という特濃タルタルをセレクトしました。

これまた濃厚で、クリーミー。醤油と旨塩、双方に合わせてみたところ、醤油との相性が抜群でした。からあげもソースも濃厚なので、ケンカしてしまわないか心配でしたが、それがまったくないのがオドロキ。逆に味の濃さがさらにグレードアップするようで、からあげの醤油の風味がより引き立ちます。
今回お邪魔した大森店は、JR大森駅北改札を出てすぐのところにあります。お近くの人は帰りに買って夕食のおかずに一品加えるのもオススメ。しかし味が濃厚な一方で、香りも強いので、購入後に電車に乗るのはちょっとためらわれるな…と悩ましい筆者でした。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。