まさに山になってる丼! ゴハンが見えない、高さ約17cmの肉3倍盛!

目の前にやってきたのは、どんぶりを自分で動かした瞬間に肉と玉ねぎが落っこちてきそうなほど高く盛られた具沢山丼。さすが肉3倍盛です。直径15cmの器に高さ約17cm、重さは1091g(器の重さを除く)。ほぼ1.1kg。
崩れる前に、山を減らさねば! ということでまずは一口。醤油ベースのタレに、キリッときいた黒コショウ。豚丼って、甘辛醤油のイメージが強かったんですが、ここのはコショウがしっかりきいた味わいです。

「豚肉はスペインのガリシア産で、栗を食べている豚の肉なんですよ。前は国産にこだわっていたんですが、肉屋さんから、一度これ食べてみなって言われて。で、食べてみたら、これだ~! って思うくらい美味しかったんですよ」と話す店主。厚めにスライスした肉の表裏を一度焼いたのち、一口サイズにカットし、タレを絡めて仕上げています。
そのタレは、醤油ベースに様々なスパイスを加え、10日間ほど寝かせて作ったもの。素材同様、タレや焼き方にもこだわりが随所に感じられます。

そもそも、なんで肉3倍盛を出すようになったんですか?「自分が若い時に、あともう一握り食べたいって思うことがよくあったんですよ。だからお店に来る若者が、ここで食べた後にコンビニでおにぎりやパンを買うなんてことがあったら気分悪い。うちでしっかりお腹いっぱいになって欲しいんですよ」。なるほど。やはり、腹ペコの気持ちは腹ペコを経験したからわかる、ってことですね。
と言いつつも、「肉3倍盛は正直やりたくなかったんだよ~。ただでさえ利益薄いし、作るのだって大変なんだから」と笑顔で語る店主。負担大だけど、お腹いっぱい食べさせたい。そんな、お客さんへの愛情を感じます。
ちなみに、肉3倍盛は、肉はもちろん玉ねぎも増量。「ゴハン大盛りを頼んだ人にもね、途中でおかずがなくなっちゃったらかわいそうだから、玉ねぎを多くしているんですよ」。

お弁当も販売していて、豆腐やネギ、きのこ入りの「豚すき焼き丼」(990円)と、肉の旨みをダイレクトに感じられる「ガリシア豚丼」(739円)の2種は弁当限定メニューになります。
ちなみにスマホなど電子機器の操作禁止の件ですが「食べる前に写真を撮るのはいいけれど、食べ始めてから携帯をいじったり話したりするのはダメ。食べるときは集中して食べて欲しいからね」とのこと。
肉、玉ねぎ、米、自家製ダレなどこだわり満載の豚丼は、肉の旨みをしっかりと感じられる、キリッとした味わいの丼。ほんのり甘みを生かした豚丼が多い中、甘くない豚丼っていいわ~。コショウ効果でゴハンが進むっ!
夜10時過ぎても食べられるなら、今度高円寺あたりで飲んだ時のシメにまた来よう! と思える、こだわりたっぷりの美味しいお店でした。
(取材・文◎石澤理香子)