サイドメニューの絶品「からあげ」の味わいとは?

平べったい形状の、大ぶりなからあげが3個、マヨネーズとともに登場です。衣に歯を入れると「サクッ」という爽やかな音が。油の切れも完璧ですね。
薄いので、肉が上下の衣に挟まれた “サンドイッチ”状態。口の中が衣だらけになって肉の味が半減するのでは、と思ってしまう人もいるでしょうが、そんな心配はご無用。衣はしっかりと薄くしてあるのがわかります。そしてにじみ出てくる旨みがハンパない! 面積の小さい断面から出てくる鶏肉の味わいをしっかり感じることができます。

飲み込む寸前にも鶏の旨みが口いっぱいに広がり、舌に貼り付いて離れません。衣もふっくらとしたコクのある香ばしさが感じられます。これがクセになるのです。この舌に残ったからあげの後味を、ラーメンのスープでのどの奥に流し込む瞬間がたまりません。さっぱりとした口に、次のからあげをすぐに放り込みたくなります。
一方、塩ラーメンのスープはさっぱりとしていながらも、鶏ガラの出汁と融合した塩味をしみじみ感じられる逸品。からあげにもよく合います。麺はツルンとした舌ざわりとシコシコした歯ざわり。のどの奥へチュルンと消えていく感じです。とくに白髪ネギの上にのせられた柚子皮がいい。さっぱり塩味のスープにキュッと引き締まるような風味豊かな酸味を与えてくれます。ついついスープばかり飲んでしまいます。

さて、からあげに話を戻しましょう。肉の旨み、衣の香ばしい味わいは、ラーメンのスープで洗い流しても口の中にかすかに残っています。この余韻が最高なのです。「また食べたい!」と思ってしまうのはこのためでしょう。
お店を出て歩きながら「もうひと皿食べておけばよかった!」などと思ってしまったこともある筆者。メニューにはからあげ丼や、ランチではラーメンとのセットメニューもあるので、からあげ好きの人は、一度試してみてはいかがでしょうか。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。