高田馬場で話題沸騰の『とんかつ ひなた』の食べ比べコースがスゴかった！

お土産に最高！ひなたの絶品かつサンド作りに密着！

　ところで、みなさん、かつサンドお好きですか？　私は大好きです。とんかつにソースを垂らして、食パンで挟んだだけだというのに、なんともリッチで幸せな気持ちにさせてくれる不思議な料理、それがかつサンドです。駅や空港のお土産としても定番ですが、やはり本当に美味しいかつサンドは、とんかつ専門店のかつサンドということになります。

　素人が作ってもそこそこおいしいかつサンドを、豚の飼育方法から切り方、揚げ方にまでトコトンこだわるとんかつ専門店が本気を出して作ったとしたらどうでしょう。考えただけでも、食欲を掻き立てられるのではないでしょうか。

肉は叩かない、下味はつけない！？ 常識破りのかつサンド

　繊細なサシが入った肉は血色のよいピンク色。驚いたのは、塩コショウなどの下味は一切つけず、繊維を柔らかくするために肉を叩くこともしません。筋が残らないよう多少の切れ目を切れる程度です。素材の良さを活かすために、控えめかつ繊細な仕事が見て取れました。

　8mmのソフトパン粉を使用。しなやかな肉質をふんわりと、優しく包み込むように衣付け。

　揚げ時間は、4分～4分半ほど。花咲くように、衣が立ち上がったら完成のサイン。少し置いて、蒸らすことで中まで火を通し、肉汁を中央に集めて閉じ込めます。

　ソースをとんかつの両面に塗り、厚めの6枚切りの食パンでサンド。包丁を入れると、肉を完璧にコーティングした衣は、サクっと歯切れの良い音を立てます。

　パン、とんかつ、キャベツ、ソースともに、水分量のバランスが良く、べちゃべちゃではもちろんなく、パサつきも一切ナシ。副菜たちが、メインであるとんかつの引き立て役に終わらず、その存在感をしっかりアピールしています。どれが欠けてもひなたの「ひれかつサンド」は完成しないのだろうな、と思わせる一体感です。

　かつサンドをひと口頬張るたびに、見知った料理のはずなのに、初めて出会ったような感動を覚える絶品。ぜひ味わいに行ってください。

（取材・文◎亀井亜衣子）