注ぎ方で味が変わる! 「クラフトビール」を最高の状態で家飲みする方法とは?

ビールによっておいしく飲めるグラスが異なる

今回は専用グラスを使用。それぞれキリンのECサイトで購入できる
今回は専用グラスを使用。それぞれキリンのECサイトで購入できる

 自宅でクラフトビールを飲む際に意識したいのが「グラス選び」です。香りが華やかなビールなら広い飲み口のグラス、喉越しを感じたい軽やかなビールなら、背が高めのグラスを使うのがおすすめ。

 例えば「496」はラガースタイルのビールで、キレの良さや濃密なホップ感を楽しめます。そんなビールには飲み口が広く、鼻と液面が近づくグラスを使うことで、香りをダイレクトに感じられるんです。また、背が低いグラスを選べば、ビールが口全体に広がるので味をしっかり楽しめるのも魅力です。

 それに対し、ホップ由来の爽やかな飲み口が特徴の「on the cloud」は、丸みがあり、飲み口がすぼまったグラスを使うといいでしょう。こうすることで香りが集まりやすくなります。また、背が高いグラスは上を向いて飲むことになるので、ビールが口の奥に当たってのどごしを感じやすくなるんです。

 また、グラスは冷やしたほうがいいと思われがちですが、496のように芳醇な香りを持つビールは常温のほうがいいそうです。逆に、on the cloudは爽やかな飲み口を楽しみたいビールなので、グラスはしっかり冷やしてください。使う前に氷水にさっとくぐらせるだけでもOKです。

クラフトビールは泡立てるだけが正解ではない

496のような香りと心地よい苦味を感じたいビールは、泡を立てずに注ぐ
496のような香りと心地よい苦味を感じたいビールは、泡を立てずに注ぐ

 続いてのおいしく飲むためのポイントは「注ぎ方」です。ビールは「液面7:泡3」の割合で注ぐのが黄金比と言われていますが、クラフトビールの場合はそうではないものもあります。たとえば、496は泡立てないことがおいしく飲むためのポイント。瓶の中身をそのままグラスに移すようなイメージで注ぎましょう。

「on the cloud」のような爽やかな飲み口のビールは、液面7:泡3の割合で注ぎます。まずは高いところからグラスいっぱいにビールを注ぎ、液面6:泡4くらいになるまで待ちます。泡が落ち着いたら、泡立てないように残りのビールをグラスに継ぎ足し、液面7:泡3にしましょう。

 高いところから勢いよくビールをグラスに注ぎます

 泡が落ち着くのを待つことしばし。1~2分待てば写真のような状態になります

 残りのビールを泡の下に滑り込ませるようにして注げば完成!

手軽に買える惣菜でペアリングを楽しもう

ビール自体にカラメルのような甘さを感じるので、角煮の甘辛いタレとの相性がいい
ビール自体にカラメルのような甘さを感じるので、角煮の甘辛いタレとの相性がいい

「ペアリング」と聞くと特別な準備や知識が必要な印象を受けますが、実は誰でも簡単にできます。ペアリングの手順は、「はじめにビールを飲む」⇒「料理を味わう」⇒「余韻が残っているうちにもう一度ビールを飲む」だけ。こうすることで、最初にビールだけで飲んだときとは異なる味わいが楽しめます。

 ペアリングする料理の選び方は3パターンあります。「(1)似た色同士を合わせる」「(2)似た風味同士を合わせる」「(3)相乗効果を生み出す組み合わせ」の3つです。(3)の相乗効果が生まれるペアリングは実際に試さないとわからないのですが、(1)と(2)は覚えておくと便利。

 今回ご紹介した「496」は、色が濃く、麦芽由来の甘みがあるビールです。さらに、ラガータイプのビールらしい後味のキレの良さが特徴。こういった特徴を考慮したおすすめは、例えば「豚の角煮」です。角煮の濃厚なタレの色と甘みは496に近いものがあり、肉の脂やタレのこってりさをビールがリセットしてくれるのです。

 一方の「on the cloud」はネルソンソーヴィンのホップ由来の爽やかな香りが特徴。少し草のような感じもあり、すっきりした味わいです。そこでペアリングしてみたのはワンタン。白い色味と小麦を使っている点がon the cloudと共通しているので、お互いを邪魔することなく楽しめる組み合わせです。また、パクチーや三つ葉を載せれば、青草のようなビールの香りにもよく合います。

今回はワンタンに合わせたが、水餃子でもいい。焼き餃子の場合は496のほうが合う
今回はワンタンに合わせたが、水餃子でもいい。焼き餃子の場合は496のほうが合う

 クラフトビールのペアリングはおかずだけでなく、スイーツでも楽しめます。たとえば、496には栗まんじゅう、on the cloudにはレアチーズケーキとの相性がいいそうです。普段は料理を決めてからビールを選ぶと思いますが、飲みたいビールから料理を選べるのもクラフトビールの醍醐味といえるでしょう。

 496とon the cloudは、全国の一部量販店で数量限定販売されており、キリン公式通販「DRINX」でも購入できます。価格は1本380円。自宅でのリラックスタイムにクラフトビールを楽しんでみてください。

●DATA

キリン公式通販「DRINX」

https://drinx.kirin.co.jp

●著者プロフィール

今西絢美

「おいしいものナビゲーター」として、調理家電や食に関する記事を執筆。フードツーリズムマイスター、利酒師の資格も持つ。ウェブサービスやアプリのトレンドも絶賛追跡中。コンテンツ制作会社「TEKIKAKU」取締役。