横浜の中でも、インターナショナルな商店街といえば、市営地下鉄阪東橋駅そばにある「横浜橋商店街」。中華食材や韓国の惣菜、ブラジル産の肉などいろいろなものが販売され、お客さんも外国人がいっぱい。
そんな商店街の入り口近くにある、行列覚悟の人気丼店に、大盛りの天丼があると聞き、向かったのは『天丼専門店 豊野丼』。カウンターのみ、席数6席ほどのこじんまりとした丼の店です。
壁に貼られたメニューを見ると「天丼」、「海鮮丼」、「穴子丼」などがあるほか、マグロやアンコウなど変わり種の天ぷらも。早速、一番大きなのを注文しようとすると、「普通の人はやめときな。食べれっこねぇんだから」。と親父。
この店の一番大きなサイズは「やけくそ盛」。ただし、フードファイターなど、特別な胃袋を持ってないと完食はほぼ不可能とのこと。
ということで、今回は店名と同じ名がついた「豊野丼」の、大盛の上で「やけくそ盛」の下の「てんこ盛」で注文です。
壁に書かれたメニューには、「豊野丼」は(海老三本と野菜四品)の文字が。今日の野菜を聞くと「カボチャ、ナス、レンコン、シイタケ、シシトウ、ニンニクの芽だね」と親父。野菜6品。お得になっていました。
そして、出来上がったところで早速計測。直径16cmの丼に高さ約16cm。重さは1346g(器の重さを除く)。丼のふちより高く盛られたゴハン、さらにその上にエビ3本と野菜6品。タレもたっぷりかかっていて、一気に食欲が湧いてきます。
丼を食べていると、入れ替わり立ち替わり常連さんらしきお客さんがやってきます。中には外国の人も。「奥さん国に帰ったのか?」など、ぶっきらぼうながら常連さんとの会話を楽しみつつ、次々と天ぷらを揚げていく親父。
中にはほぼ毎日、店で丼を食べている、という人も。店の魅力を聞くと「一番の魅力はご主人ですね。めちゃくちゃだから」と笑いながら話す人も。
そう、この店の店主、というか親父。クセが強い! 毒舌をかましながら、どんどんやってくる客の注文をさばいていく姿は、まるで横浜橋の毒蝮三太夫。でも常連客は、慣れた対応で親父の毒舌を楽しんでいる様子です。
まぁ、常連以外の客には失礼なことは言わないと思われます。おそらくですが。
2つの鍋で天ぷらを移動させつつ、テキパキと丼を仕上げていく親父。鉄鍋とホウロウ鍋、2つの鍋で揚げているのは「流れ作業になってんだよ」。油は何を使ってるの?「ツバキ油がちょっと入ってるね」。え? 椿油?「そのツバキじゃねぇよ。何言ってんだよ」。などなど、こちらの質問を冗談などでどんどんかわし、ちっとも美味しい理由の核に触れさせてくれない店主。
でも揚げたてサックサク、しかもタレたっぷりで、ゴハンにしっかり染みている丼は、ボリュームがあっても食べやすい。親父と常連客の怒涛のトークを楽しみつつ食べ進めます。
野菜がこの日は6品だったのもあり、ゴハンと天ぷらのバランスもよく、タレの効果もあって、盛りのいいゴハンを食べ進めることができた「豊野丼」+てんこ盛り。ただ、並盛りでもおそらく他店の大盛りサイズなので、初めていく人は、並盛りから注文するのがオススメです。
「うちはボリュームがあってコスパがいいのが売りだからさ」と話す親父。ちなみに定休日のほか、「ヤル気、ライスがなくなったら終了」です。
ちなみに残すの厳禁。出禁になります。コスパがいい分、食べられるボリュームで注文を。そして、丼1杯よりお腹に余裕があれば、変わり種の天ぷらを単品で頼むのがオススメ。時間によって行列ができることも多いですが、回転が早いので、少し待てば大丈夫!
親父と常連客の丁々発止のやり取りを聞きつつ、大盛りの丼を楽しめる『天丼専門店 豊野丼』。威勢のいい親父のエネルギーそのまま、パワフルで元気になれる丼が味わえますよ。
●SHOP INFO
店名:天丼専門店 豊野丼
住:神奈川県横浜市南区真金町2-18
TEL:045-251-4740
営:11:00~14:20、17:00~19:50(各L.O.)
休:日曜、ヤル気、ライスがなくなったら終了