「スパイス入りの煮出しミルクティー=チャイ」ではない

「チャイ」とは、「茶」を指す言葉で、インドでは煮出しミルクティー、トルコでは紅茶のことを「チャイ」と呼びます。チャイといえばミルクティーを思い浮かべる人が多いと思いますが、国によって紅茶の呼び方が違うだけなんです。
また、インドのチャイを思い浮かべたときに「スパイスを入れて煮出したミルクティー」だと思いがちですが、実がこれも間違い。スパイスを使わなくても「チャイ」と呼び、ショウガやカルダモンなどを使うチャイもある、といった程度なのです。

チャイブレイクで提供するのは、インド式の煮出しミルクティー。同店は2001年に紅茶の輸入業をスタートし、年に3回、店主自らが海外を飛び回って買い付けもしています。紅茶にも緑茶と同じように季節のお茶があり、ブランドしたりフレーバーを付けたりしない「旬の紅茶」を楽しんでほしいと、このお店をオープンしたそうです。

こだわりの淹れ方は自宅での再現は難易度高め!?

チャイブレイクのチャイメニューは、20弱という豊富なラインナップが揃っています。スリランカ産の「ディンブラ」という産地の茶葉をメインで使用しており、味や香りのバランスがいいのが特徴です。自宅でミルクティーを作る際も、茶葉は「ディンブラ」や「アッサム」を使うのがおすすめなのだとか。
今回は実際にスパイスを使ったチャイを作る手順を見せてもらいました。まずは鍋に水90mlを入れ、そこにスパイスを加えます。
強火で沸騰させたら1分間煮出し、さらに茶葉を加えて1分間煮出します。濃厚なミルクティーを作りたいからといって、牛乳だけで作るのではなく、水で煮出したものをミルクで割るんですね。

そこに牛乳180mlを加え、沸騰直前に火を止めます。あとは茶こしで濾すだけかと思いきや、しっかり搾り取ってから撹拌するのだとか。

この撹拌作業が大切で、しっかり空気を含ませ、口当たりをまろやかにしているんです。2つのコップをチャイが行き来するのはまさに職人ワザ。これを家庭でするのはなかなか難易度が高そうです。


完成したのがこちらの「オリジナルチャイ」です。表面にはフォームミルクが添えられています。カップに鼻を近づけるとふわっとスパイスの香りが。飲んでみると、茶葉の旨みや渋みとスパイスの風味が口いっぱいに広がります!

これまで筆者が日本で飲んだことのあるチャイは「甘み」や「スパイス」を全面に感じるもので、茶葉の味わいを感じることはありませんでした。その点、チャイブレイクのものはすべてのバランスが絶妙で、インドで飲んだチャイを思い出します。

せっかくなのでスパイスを使わない「煮出しミルクティー」もいただいてみたのですが、こちらもミルクと茶葉のバランスが絶妙。ミルクティーを飲んで「コク」を感じる経験は初めてです。