
安くて美味しいコスパ最高の酒場がひしめき合う“せんべろ”の街、葛飾区立石。今回お邪魔したのは、京成立石駅から徒歩で数十秒の場所にある焼肉店『牛坊』。「立石で焼肉なら牛坊だ」と立石ファンの呑んべえたちにも評判のお店です。

「固い肉は美味しくないと思われがちですが、そんなことなく、焼き方次第で美味しく食べることができますよ」と語るのはオーナーの金炯才さん。そのためこちらのお店では、焼く前に店員さんが焼き方を教えてくれることが多いのだそうです。

というわけでさっそく注文です。筆者がオーダーしたのは「塩ロース(赤身)」(980円)、「ハチノス(味噌)」(850円)、「塩 サバキ スジ」(700円)の3品。まずは塩ロースから焼いていきましょう!

塩ロースは「7~8秒ほどで食べごろです」という店員さんのアドバイスに従い、すばやくロースターから離してひと口。何もつけなくても美味しい!

唾液で溶けてしまうのではと思うほどのやわらかさ。うま味がじんわりしみ出してきて、すぐに次の一枚が欲しくなります。ニンニクダレをつけると、ピリッと刺激的な辛みが加わります。

続いてハチノス。おなじみ牛の第2の胃袋ですね。そのままだと固いので、こちらでは一度ボイルしてから提供しているそう。これは軽くあぶってからいただきます。コリ&フワな食感で、焦げた味噌の風味がたまりません。これはビールがすすみます。美味しい!
こんな美味しいスジ肉は初めて!

「塩サバキ スジ」はいわゆるスジ肉。煮物などではお馴染みですが、焼いて食べるのは初めて。「焼き方が足りないと固くて食べられませんから」と店員さん。ロースターでじっくり5~6分焼いてからいただきました。コリコリした食感ですが、しっかり焼いているので、包丁でも入れるように歯がすんなりと入ってくれます。

びっくりしたのはうま味の強さ。「ハラミのスジなんですよ」とオーナーの金さん。ハラミといえば内臓に近い部位の赤身肉ですが、やわらかくて脂身もあり、コクのある味わいが特徴の部位。その近くのスジ肉だからでしょうか。かすかに甘みもあります。これが筆者の一番のお気に入りになりました。お酒のアテにもってこいです。
このスジ肉、一度食べ始めると止まらなくなるパターン。しっかり焼かないとダメだと言われていたにもかかわらず、待ちきれなかった筆者は2~3分焼いただけで口の中へ。やはり歯ごたえがありすぎて、なかなか噛み切れませんでした。ここは店員さんのアドバイスに従うのが吉です。

お値段も安く、肉の美味しさを最大限楽しめるうれしいお店です。立石にはしご酒を楽しみに行くときは、ぜひ『牛坊』さんに立ち寄ってみてください。最高のお肉をリーズナブルに堪能できますよ。
(取材・文◎松本壮平)
●SHOP INFO

店名:牛坊
住:東京都葛飾区立石4-26-12
TEL:03-5670-3793
営:11:30~14:30(木曜はランチ休み)
17:00~翌3:00(水曜日17:00~23:00)
休:無休