都内でクラフトビール×パンのペアリングが堪能できる3軒

人気のクラフトビールと、パンや小麦食品のペアリングが存分に楽しめる都内のショップをご紹介。

クラフトビール×ハンバーガー

CRUZ BUEGERS＠四ツ谷

　JR四ツ谷駅から徒歩5分。溶岩石で焼く極上バーガーとクラフトビールが楽しめる人気店が「CRUZ BARGERS」だ。

「高校時代からサンドイッチ店を開くのが夢でした」と語る店主の野本真希（まさき）さん。その夢を叶えるため、ハンバーガーチェーン店で店長とマネージャーを経験した後、ハンバーガーの名店「FIRE HOUSE」（本郷三丁目）で修業を積み、2016年1月に自身の店をオープンしたばかり。

　ハンバーガー作りを学ぶ一方で、バー巡りにもハマった。その時期に魅せられたのが、渋谷のビアバー「クラフトヘッズ」で味わったアメリカンビール。その経験を活かし、「CRUZ BARGERS」でもハンバーガーと一緒に「グアバ　アイランダーIPA」や「フルーツランド ブラッドオレンジ＆ハイビスカス」など、季節ごとに、多種多様なクラフトビールを提供している。

　さて、注文した「ベーコン＆チーズバーガー（1458円）」は、同店の実力を世に知らしめた、一番人気のバーガー。自家製ベーコン、ナチュラルチーズ、120gのパティ、レタス、トマトが豪快に挟まっている。

　受け皿となるバンズは、バーガー業界では有名なバンズメーカー「峰屋」に特注する、トースト生地のオリジナルバンズ。厚めにカットされ、肉汁とソースをたっぷり受け止められるスタイルで、外はカリッ、中はふかふかの食感だ。

　一方、溶岩石で焼かれるパティにも抜かりはない。まずは柵状で仕入れたチャックテールフラップ（肩ロース）を、包丁を使って粗ミンチにする。相当に粗く、ミンチとは言え一つひとつがかなり大き目なのだが、しっかりもみ込んで繊維を柔らかくし、1枚のパティにまとめ上げることで、まるでステーキにかぶりついているようなジューシーさを生み出している。

　もちろん、こだわりは手作りのソースにも。例えば、サウザンアイランドはタイム、オレガノなどのハーブに、特製のケイジャンソースをミックスすることで、クリーミーかつスパイシーな味に仕上げている。ひとつ間違うと甘ったるくなりがちなBBQソースも、たっぷりのオニオンとハチミツなどで味を整え、上品な甘みを引き出している。

「専門店なので、大手にはできないことを。サードウェーブバーガーの魅力を多くの人に知ってもらいたい」と野本さん。同店のこだわり抜いたバーガーとクラフトビールの幸せな組み合わせを、ぜひ体験してほしい。

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クラフトビール×サンドウィッチ

CHELSEA BREAD BAR＠代々木上原

「CHELSEA BREAD BAR」は、2017年1月23日にオープンしたばかりのビストロ・バー。バーでありながら、自家製パンとクラフトジンが目玉。ソウルシンガーとしても活躍する朝葉サム吉洋氏がバーテンダーを務め、料理は数々の人気フランス料理店で腕を磨いたシェフ加藤一彦氏が担当する。

　朝葉さんは、20代の時にニューヨークに音楽修行へ赴き、その際、ニューヨーカーを相手にバーテンダーとしても働いていた。「カジュアルに本物を楽しむニューヨーカーのようなスタイルを日本にも浸透させたくて。代々木上原という町は、そういう文化を受け入れられやすい大人の雰囲気がありますね」と朝葉さん。

　バーとしては珍しく、朝からオープン。ブレックファストからバータイムまで、一日いつでも楽しめるのも魅力。ハード系のパンはすべて厨房内で手作りされ、焼きたてのパンの香りが店の外にもふんわり漂っている。

　取材時にオーダーしたのは「オープンサンド（1200円）」。タルティーヌ風で、卵料理、サラミ、鶏ハム、自家製野菜などが宝石のように散りばめられている。合わせたビールは「東京ブルース セッションエール」。オープンサンドにぴったりの柑橘系のシャープな苦みが、料理の美味しさをさらに引き出してくれる。まさに最高のペアリングだった。

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クラフトビール×ピッツア

NIHONBASHI BREWERY＠日本橋

　アメリカ・ポートランドに醸造所を構える「ホップワークス アーバン ブルワリー（HUB）」のオリジナルレシピで醸造されるビール「日本橋IPA」が味わえるのが、ここ「日本橋ブルワリー」。2016年11月のオープン以来、日本橋の紳士淑女のハートをがっちりとつかんで話さない人気店だ。

　タップ数は全部で13。約220mlの小さめのグラスで、一律380円で楽しめるから、ついついあれこれ試飲してみたくなってしまう。内容は1週間ほどで変わるので、週に2～3度足を運ぶ常連さんも多いとか。

　でも、初めてならやっぱりまずは「日本橋IPA」を味わいたい。アメリカン・クラフトビールを初めて呑む日本人向けに開発され、口に含むとバナナのようなリッチな甘みが広がり、その後、ホップのすっきりした苦みが追いかけてくる。ビール初心者や苦手な人にこそ飲んでもらいたい一杯だ。

　これに合わせたいのが、同店お得意の新鮮野菜を使った料理。例えば、「オクラと大葉のジェノベーゼピザ（1180円）」。大葉でジェノベーゼソースを作っているのが特徴で、大葉の爽やかな香りに、オクラの食感とチーズの塩味が絶妙にマッチする逸品だ。

　サービス担当の高橋慎司さんにお話を伺った。

「ビールと料理の組み合わせ、お客様の好みを伺い、ここでしか出会えないマリアージュ、例えば、あんこ×ヴァイツェン、ピータン×スタウト、なんて面白い組み合わせを提案していけたら。日本橋には老舗も名物も見所もたくさんありますが、日本橋と言えば、『日本橋ブルワリーの日本橋IPAね！』と新たな日本橋名物になれるよう精進していきたいですね」

　ビールは3サイズ。一律でM380円、L580円、LL880円と、都内屈指のコスパのよさに、今夜も思わず足が向いてしまうのだった。

（取材・文◎亀井亜衣子）