ウイスキーは生産地により名称が異なる
そもそも「ウイスキー」は、大麦、ライ麦、とうもろこしなどが原料となる蒸留酒。アルコール度数は40~46度が主流で、醸造酒であるワインや日本酒が10~30度であるのに比べるとずいぶんアルコール度数が高くなっています。同じく蒸留酒であるジンやウォッカ、ラム、テキーラなどは35~60度なので、蒸留酒が醸造酒かでアルコール度数は大きく異なります。
世界5大ウイスキーといえば、日本の「ジャパニーズウイスキー」、アメリカの「アメリカンウイスキー」、スコットランドの「スコッチウイスキー」、アイルランドの「アイリッシュウイスキー」、カナダの「カナディアンウイスキー」が挙げられます。これらに並ぶ新たな産地として、「台湾シングルモルトウイスキー」がとり上げられ始めました。

生産地ごとに上記のようなウイスキーの呼称があり、そのなかでも大麦麦芽のみを使用した「モルトウイスキー」、とうもろこしや小麦などの穀物を使った「グレーンウイスキー」といった分類があります。また、モルトウイスキーは単式蒸留器で2回もしくは3回、グレーンウイスキーは連続蒸留器を使用するといった違いも。
さらに「バーボン」も有名ですが、これはアメリカンウイスキーの一種。原材料にとうもろこしが51%以上使用され、主にアメリカのケンタッキー州で作られたウイスキーのことを言います。
蒸留後のウイスキーは無色透明な液体で、熟成することで樽の成分が溶け込み、それに伴い色が茶色くなります。バーボンは新樽のみしか使用しませんが、多くのウイスキーはラムやブランデーなどほかのお酒を寝かせていたものを使います。

ウイスキー初心者はハイボールで飲むのがおすすめ
最近は日本のウイスキーの生産量が追いついておらず、世界的にもプレミア化しているのが現状。たくさん作っても“熟成”に時間がかかるので、ほかのお酒のようにすぐにたくさん供給することが難しいのです。
しかし、台湾のカバランは、気温が高い地域で作られていることもあり、同じ二条大麦を使うスコットランドに比べ、約3倍の速度で熟成できます。熟成速度が早いということは早く出荷できるので、安定供給が可能になるのです。

初心者がウイスキーを飲むなら、おすすめの飲み方はハイボールなのだとか。そこで、今回は「カバラン コンサートマスター」をハイボールにしていただきました。

コンサートマスターのハイボールは、ほのかな甘みが感じられ、ウイスキーのなかでもかなりフルーティーな印象です。「トロピカル」という表現が近いかもしれません。このトロピカルさは、亜熱帯地方の山の湧き水を使用していることと、水の味わいを最大限に引き出す南アフリカの酵母を使っているのが理由なのだとか。これだけ飲みやすいウイスキーなら数々の賞を受賞しているのも納得です。
ウイスキーは熟成年数が長くなるほど角が取れて味わいが滑らかになるので、ウイスキーを飲み始めるなら12年ものを選ぶのがベストだそうです。逆に、更に年数が経ったものは高級品ではありますが、味や香りが複雑さを増すため、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
ウイスキーを使ったカクテルから入るのもアリ
アルコールがあまり得意でない人なら、ウイスキーを使ったカクテルを注文するのもいいでしょう。今回いただいたカクテルはアルコール感がしっかりあるものの、甘めの仕上がりなので飲みやすく感じました。

ウイスキーはお店で飲むのもいいですが、自宅でも手軽に楽しめるお酒です。ワインなら一度開栓するとできるだけ早く消費しないといけませんが、ウイスキーは蒸留酒なので、開栓してからも時間をかけてゆっくり楽しめるので、実はコスパもいいんです。
今回飲んだ「カバラン コンサートマスター」は700mlが9000円前後で購入できます。どんなウイスキーか気になった人はぜひ『TOKYO WHISKY LIBRARY』に足を運んで味わってみてくださいね。
(取材・文◎今西絢美)
●SHOP INFO

店名:TOKYO WHISKY LIBRARY
住:東京都港区南青山5-5-24 南青山サンタキアラ教会2F
TEL:03-6434-1163
営:月~金18:00~27:00(L.O.26:00)
土15:00~27:00(L.O.26:00)
日・祝日最終日15:00~24:00(L.O.23:00)
休:なし
http://www.tokyo-whisky-library.com/