総重量1.8kg! 『江戸川ヌードル 悪代官』で「特ヌードル麺倍盛り&野菜増し」を食べてきた

総重量1.8kg! 『江戸川ヌードル 悪代官』で「特ヌードル麺倍盛り&野菜増し」を食べてきた
食楽web

 駅前でも大きな道沿いでもない、いわゆる“離れ小島”的な場所に、そこでしか食べられない大盛ラーメンがあると聞き、向かったのはJR総武線の小岩駅。駅から徒歩15~20分、フラワーロードの奥からさらに歩いたところにあるのが、その名も『江戸川ヌードル 悪代官』です。

 悪代官。その名前から想像するラーメンって? まさか丼の下に小判でも隠されているのか? 賄賂という名のサービスたっぷりなのか? それともオーナーが越後屋とか桔梗屋と仲良し? そもそも屋号で「悪」がつくってなかなかない気がします。一体どんなラーメン店なのか?

 一歩店に入ると、黒い壁に大きな葵の紋。テーブルも黒。悪代官というより徳川の秘密基地のような雰囲気です。カウンターだけの店内の奥に厨房があるのですが、巨大な寸胴がズラッと並んでいるのが見えます。カウンター11席の店に巨大寸胴、こんなに必要? 謎をいだきつつも、「特ヌードル」に、麺倍盛り、野菜増しで注文です。

「特ヌードル」1,050円に、麺倍盛り+150円、野菜増し+50円でトータル1,250円。海苔もでかい!
「特ヌードル」1,050円に、麺倍盛り+150円、野菜増し+50円でトータル1,250円。海苔もでかい!

 出てきた「特ヌードル」の麺倍盛り+野菜増し、そのセンターには大きな唐揚げがドーンとのっています。こ、これは?「長野県のローカルフード『山賊焼き』って知ってますか? ウチは本社が長野なので、地元の郷土料理をのせているんですよ」と工場長の西澤さん。ん? 店長じゃなくて工場長?

「この山賊焼き、タルタルソースをトッピングしているんですが、このタルタルがスープに合うとか合わないとか、意見が分かれているんですよ」とニコニコ話す西澤さん。たしかに大きなモヤシとキャベツの山の上に鶏肉の唐揚げ、そしてタルタルソース。唐揚げがトッピングの店は数多あれど、タルタルソースがかかっているのはあまり見たことがない気がします。

丼の直径は約20cm。麺の上に山盛りのモヤシとキャベツ、巨大海苔、煮卵、そして山賊焼き!
丼の直径は約20cm。麺の上に山盛りのモヤシとキャベツ、巨大海苔、煮卵、そして山賊焼き!

 麺は極太のストレート麺、タピオカ入りで独特の食感になっています。スープは豚骨と鶏ガラダシ、醤油ダレで、具はモヤシとキャベツ、山賊焼き、巨大海苔、味玉、メンマ、ニラ。お好みで刻みニンニクが追加できます。

 そして大盛ならではのお約束。山盛りの具で麺が見えない! どうやって食べればいい?「天地返しできないので、目の前のものからひたすら食べていく、ですね」と西澤さん。そうですよね、目の前にあるものから、ということで、まずは山賊焼きを一口。ニンニク醤油に一晩つけ、片栗粉をまぶして揚げた山賊焼きは衣カリッカリ。タルタルソースで濃厚さっぱり味になっています。うまい!

 次に、タルタルソースがちょっとかかったモヤシとキャベツを。これはラーメンの具というより温野菜サラダ状態。麺もスープもすすれない状態です。野菜にはタレとコショウがかかっているので、タルタルソースがかかっていないところはさっぱりしたおいしさ。タルタル、強いな~。

奥から引っ張り出せた極太麺。タピオカ入りでモチモチ&ツルツル
奥から引っ張り出せた極太麺。タピオカ入りでモチモチ&ツルツル

 山をある程度切り崩したところで、下から麺を引っ張り出して一口。ここからラーメンタイム! といった気分です。背脂が効いた濃厚スープと、上の具材で蒸されたラーメン、伸びていないか心配だったけれど、タピオカ効果? でモチモチとツルツルをキープ。もちろん、食べ始めて数分経つのにまだアツアツです。

 極太麺なので食べ応えがあり、濃厚なスープとよくからむ、ストロングスタイルのラーメン。麺とモヤシがほぼ同じ太さなのでモヤシ、麺、濃厚スープが一体となってアツアツのまま口の中に飛び込んできます。麺を食べ始めたのに、白ゴハンが欲しくなる気分。これをおかずにゴハンをかっこみたいほど、濃厚な味わいです。

野菜などを盛り付けた最後に山賊焼きをトッピング。麺は倍量で200⇒400g、野菜は通常の1,5倍
野菜などを盛り付けた最後に山賊焼きをトッピング。麺は倍量で200⇒400g、野菜は通常の1,5倍

 食べる前に重さを測ったところ、1,860g(器の重さを除く)。麺は茹でる前の重さで400g。野菜は1,5倍ですがおそらく「1kgぐらいあるかもしれないですね」と西澤さん。1,860gなら、野菜1kgと言われて納得です。

 ちなみに、なんで店名が“悪代官”? 「店の代表の者のインスピレーションでつけた店名なので不明なんですよ」。と西澤さん。

 そして、もうひとつ大きな疑問が! なんで席数11席の店の奥に、あんなに巨大寸胴がずらっと並んでいるんですか?
「実はここの店は、系列店のスープを作る工場なんですよ。文京区小石川の『魚雷』、西片にある『信濃信麺 烈士洵名』、台東区御徒町にある『チラナイサクラ』など6店舗のスープをここで作っているんです」。

 なるほど! だから巨大寸胴がいくつもあって、しかもそれぞれが調理中で湯気を出しているんですね。「現在寸胴は10個あります。豚骨、鶏ガラ、貝出汁など、それぞれの店の特徴となる味を作り出しているんですよ」。だから西澤さん、店長じゃなくて「工場長」なんですね。納得しました。

完食! 最後までアツアツだった~! ガッツリ食べたい時にこれは最強!
完食! 最後までアツアツだった~! ガッツリ食べたい時にこれは最強!

 醤油がしっかり効いた濃厚スープに極太麺、パンチの効いた旨味を堪能しまくって完食。ちなみに、タルタルとスープの相性を確かめようと最初は思ったのですが、山賊焼きと野菜の山でほぼからめとったため、相性がいいか悪いかは現段階では不明。……次回に検証持ち越しです。

 悪代官のアジトのような怪しいラーメン店ではなく、文京区や台東区などにある人気ラーメン店6店舗のスープを作る、工場内のラーメン店。ちなみに、ここで『魚雷』や『烈士洵名』のラーメン食べさせて、って言っても出てきません。各店舗に行って食べましょう。ちなみに工場! なので、店内にトイレはありません。事前にすませてくるのがおすすめです。

 カリッカリに上がった大きな唐揚げとタルタルソースがのっているラーメンはパワフル&ストロング。食べ終わった後は汗びっしょりです。店を出て、駅までの遠い道を歩きつつ素朴な疑問が。もしかしたらご当地の長野県松本市や塩尻市では、山賊焼きをトッピングで出すラーメン店はよくあるの? 今度は長野県に調査に行きたくなりました!

(撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

江戸川ヌードル 悪代官 外観

店名:江戸川ヌードル 悪代官

住:東京都江戸川区南小岩5-3-16 平山ビル 1F
TEL:03-5694-7070
営:11:00~15:00、18:00~24:00、金土曜、祝前日~25:00(LO各30分前)
休:月曜(祝日の場合火曜)