6車線もある幅広い車道に高層ビル。オフィスや官公庁がひしめきあう虎ノ門ですが、一歩路地に入ると、知る人ぞ知るランチの店や昔ながらの喫茶店、立ち飲みバルなど小さな店が頑張っているエリアでもあります。
中でも大食いの人たちに人気なのが、中華料理の『ビッグラーメン』。ボリュームの多さと昔ながらの味わいでリピーターが多いお店です。ここのメニューの中に、店名と同じ「ビッグラーメン」があると聞き、本当にビッグ？ ボリュームがどれほどなのか、早速調査開始です。
『ビッグラーメン』は約50年前、創業当時からあるメニューで、野菜が食べたいというお客さんのリクエストから誕生したもの。いまでも独り者や単身者などに人気が高いメニューとのことです。ご主人いわく、野菜は公式には850gだけれど、おそらく1kgぐらい乗っているとのこと。それは野菜を摂りたい人にとってうれしいボリュームといえますね。
「ビッグラーメン」は、味噌味のほかにしょうゆ味と塩味があり、それぞれ900円。麺の太さは中ぐらい、スープは豚骨ベース、茹でる前で200gの麺と、モヤシ、キャベツ、ニラ、ニンジンなどの野菜山盛り、チャーシュー、メンマがトッピングです。ちなみに味噌は、赤と白の合わせ味噌になっています。
アツアツのうちにさっそく一口！ 上の野菜がドスッと重すぎて、下の麺を引っ張り出すのに一苦労です。おすすめの食べ方を聞くと「野菜を食べて、麺をほじくりながらまた野菜を食べるのがいいですよ」とのこと。しかし、上の野菜をある程度食べないと麺を出すのが大変！ しかし野菜ばかり食べていると麺が上の野菜に蒸されるわ、熱いスープでのびるわ、すごいことになっちゃうので、なるべくバランスよく食べたい！ ついついスピードがアップしていきます。麺を引っ張り出そうとすると中から湯気がブワッ！ 熱さとの闘いでもあります。
重さを測ったところ、器の重さを除いて1,902g。約2kg！ スープは意外とあっさりしていて、野菜のシャキシャキ感がたまりません。山を崩さないよう、最初は野菜を食べ、山が台地ぐらいになったところで取り出しやすくなった麺を食べ、ここから野菜と麺を交互に食べ進めていきます。
最初は引っ張り出すのが大変だった麺も、中盤からはほどよくモヤシやキャベツと絡み、スープ、麺、野菜の三位一体となったおいしさが口の中に広がります。
この1,902g、意外と食べやすい！ 鉄板かつ王道の味噌味は、どこか懐かしさも感じて飽きがこない。素直においしい、どこかホッとする味わいです。
食べている最中、周りを見渡すと、一人で黙々と食べる人もいれば、おそらく同じ職場からやってきた6人ぐらいの客が「部長はこっちの席、××さんはカウンター席に行って～」など、和気藹々とした会話で盛り上がる姿も。この日のテレビは甲子園中継。超都心、港区虎ノ門でも、町中華の雰囲気健在です。居心地の良さもきっとこの店の魅力のひとつのような気がします。
ちなみに、「ビッグラーメン」を超える野菜3kg、麺2玉400gの「男性専科」1,580円というメニューもあり、2kgじゃ足りない人はこっちがおすすめ。「男性専科」というメニュー名ですが、過去女性のお客さんが約14分で完食したとのこと。スープを含めおそらく、約4kgを14分。すごい。
麺類だけでも焼きそばを含め約40種、チャーハンや丼などゴハン類約14種、餃子をはじめとする単品メニューも多く、毎週通っても飽きがこない『ビッグラーメン』。日替わりの定食は13時から注文できます。トータル約2kgの野菜たっぷりラーメンが、都心の虎ノ門で1,000円以下。これは魅力的すぎる！ いつまでも続いて欲しい、どこか懐かしい雰囲気の町中華の店でした。
（撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子）
●SHOP INFO
店名：ビッグラーメン 虎ノ門店
住：東京都港区虎ノ門1-11-13
TEL：03-3591-1055
営：11：00～23：00（LO22：10）
休：日曜
