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高級クラブがひしめく銀座。その数、約1500軒! 企業経営者に文化人、タレントから政治家まで、業種を問わず夜な夜な集う、まさに日本版“サロン”。そんな粋人たちを満足させる、銀座の高級クラブで出される「乾き物」を探してきました。
昭和25年創業の「高級珍味卸問屋 岡田かめや」(銀座7丁目)は、お酒に合うおつまみを全国から厳選し、常時300種類取り揃えている高級珍味専門店。銀座の多くの高級クラブやバーのスタッフが買いに訪れることで知られています。
さぞやお高いものばかりなのだろう、と想像していましたが、訪れてみると、ナッツやドライフルーツ、あられ、チョコレートなど、どれも1袋1,000円以下のものばかり。「これが、バーではいくらになるのだろう…?」とほくそ笑みながら、どうせなら、高級クラブで今もっとも人気のおつまみを買い漁ろうと、社長の岡田桂一さんに、人気ベスト5を紹介してもらいました。
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1位 トマトポップル 486円

ショートパスタを揚げたスナック「ポップル」シリーズのトマト味。ちょうどいい塩気とほんのりトマト風味でビールと相性抜群。とくにホステスさんに大人気の1品だとか。
2位 ティラミスチョコ 648円

ココアパウダーとマスカルポーネ風味のチョコレート、アーモンドの香ばしさが絶妙のハーモニー。赤ワインやウィスキーなど濃厚なお酒にぴったりだが、おやつとしても定番の人気。
3位 ドライみかん 594円

「タモリ倶楽部」で紹介されてから、不動の人気を誇る一品。最初の一口目は甘いが、噛み締めるうちにみかんの酸味がどんどん出てきます。あらゆるお酒と相性がいいのも嬉しいところ。
4位 烈火わさび 540円

見た目は普通のおせんべいですが、一口食べるとむせかえるほど辛い。とはいえ、日本酒や焼酎と一緒につまむと、ほどよく手が止まらなくなるやみつき系。つまみとしてだけではなく、飲みの席でのイタズラにも使われるそう。
5位 からしレンコンチップ 594円

カラッと揚げたてのような食感で、噛むと後から辛さがふわ~っときます。レンコンの味もしっかり後味に残り、生の辛子レンコンを食べた後のような本格的な味。ビールはもちろん、泡盛などパンチのあるお酒にも相性抜群。
合計2,862円なり!
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人気ランキングについては上のような結果となりましたが、では、銀座のクラブやバーのお眼鏡にかなうおつまみの特徴について、「岡田かめや」社長・岡田桂一さんに聞いてみました。
「まず、大事なのはサイズです。クラブやバーのお客さんは、食後に来るのでお腹は満たされていますから、小さくて、軽いものであること。またクラブやバーは、小さな器やスティックグラスに入れ、あられのような“バラもの”と個装のものを組み合わせて出します。特に、個装のものは、小粒か、スティックサイズが人気です」(岡田さん)

とても優しく取材に応えてくれた社長の岡田さん
味に関しては、辛いもの、甘いもの、しょっぱいものなど、いろいろな味を組み合わせるのが一般的だそうですが、いずれにしても、濃い味に人気が集中するといいます。
「うちでは素材の味の良さがしっかり表現されているものを選ぶようにしています。例えば、定番の柿の種&ピーナッツ(842円)は、天日干しの柿の種と八街産のピーナッツのナチュラルな素材ですが、コクや甘みが強く、これを食べたら、他は食べられないという人もいるくらいです」(岡田さん)

チョコひとつとっても、その多様さに驚かされる
取材中にもお客さんが続々と来店。その中で、柿の種&ピーナッツをたくさん買っていく料理人風の男性がいたので話を聞いてみると、「和食料理屋をやっていて、魚(シラウオ)を揚げるときに、これを砕いて衣に使うんです。ピーナッツがいい仕事をする」とのこと。なんと、銀座の舌の肥えた人たちが選ぶ乾きものは、つまみに留まらないことが判明。老舗のおつまみは、じつに奥が深かったのでした。
(取材・文◎anko)

銀座の料亭からも愛されるこだわりの柿ピーと、八街産落花生
●SHOP INFO
店名:高級珍味卸問屋 岡田かめや
住:東京都中央区銀座7丁目12-2 林ビル
TEL:03-3542-6606
営:平日9:00~19:30 土曜9:00~17:00
休:日・祝日