和風実山椒柳麺は銀座店限定メニュー

さて、前述したように、『麺屋ひょっとこ』といえば、本店は有楽町の東京交通会館B1にある、カウンター7席の店。その少ない席の空きを待って、長い行列ができることで有名です。みんなのお目当ては、おろしたての柚子をたっぷり載せた「和風柚子柳麺」。
2号店でも、本店と同じメニューを出しているのですが、筆者が食べた「和風実山椒柳麺」(750円)だけは、銀座店だけのオリジナルメニューだそうです。2つの違いについてお店のスタッフの林李紗さんに聞くと、「トッピングに載る柚子と実山椒だけの違いで、あとは一緒です。でもびっくりするくらい違った味わいになるんですよ」とのこと。

ちなみに、『ひょっとこ』を知らない人のために、ベースとなるラーメンの特徴を説明しておきましょう。今から13年前、有楽町にある交通会館の地下にあった小さな“きしめん屋”がラーメン屋に転向したのが『麺屋ひょっとこ』本店です。きしめん屋時代、毎朝、厚削り鰹節から出汁を丁寧に取っていたため、それをラーメンにも採用。そこに鶏ガラの旨味を合わせて作るのが、“ひょっとこ”のラーメンの基本の淡麗スープなのです。

麺はかんすい少なめの細麺を合わせ、あっさり食べやすくしています。具材の中でも、特にこだわっているのは分厚いチャーシューです。柔らかく煮上げ、味付けもスープに合わせてあっさり目に調理しているそうです。

名物の「和風柚子柳麺」に、おろしたての柚子を入れるのも、きしめん時代に使っていたから。これが思いもかけず、行列メニューになったのだそう。
さて、2号店にしかない「和風実山椒柳麺」は、その柚子の代わりに京都から取り寄せた実山椒を載せているのですが、実際に食べ比べてみると、確かに同じラーメンとは思えないほど印象が異なります。柚子の優しい風味によって、ラーメンが非常に優しい味わいになります。
しかし、個人的には、実山椒の清々しい香り、そしてピリッとスープを引き締めるようなシビれ感が素晴らしいと思います。刺激と優しさとがちょうどいいバランスを生んでおり、スープを一滴も残したくない! という気持ちになるんです。
「実山椒柳麺にハマる方は、ラーメンを召し上がった後に、茶飯(160円)を追加オーダーして、スープをご飯に入れてお茶漬けのようにして召し上がられていますね」と、林さん。なるほど、それは飲んだ後の〆にぴったりですね。
というわけで、〆の無限ループにハマりそうな『麺屋ひょっとこ 銀座店』。女性も一人で入りやすいので、ぜひ行ってみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:麺屋ひょっとこ 銀座店
住:東京都中央区銀座6-3-15 銀座昭和イーティングビル 1F
TEL:03-6263-8757
営:月~金11:30~22:30、土~17:30
休:日・祝