西葛西は「リトル・インディア」、高田馬場は「リトル・ヤンゴン」、横浜・関内は「リトル・バンコク」として知られていますが、葛飾区には「リトル・エチオピア」があるというウワサが。
なぜエチオピア? そしてなぜ葛飾区に? 不思議に思いつつ向かったのは、その名も『エチオピアン コーヒーハウス』。エチオピア産のコーヒー豆・コーヒー専門店です。ここは輸入業を営むエチオピア人のご主人と日本人の奥様ウオルデサアデク晴絵さんが、エチオピアのコーヒーのおいしさを知って欲しいと2017年3月にオープンしたカフェです。
そもそも、エチオピアのコーヒーは、どんな味なのでしょうか?
「フルーティで爽やかなのが特徴ですね。品質がすごく良質です。エチオピアは実はコーヒー発祥の地、原点のおいしさをおすすめしています」とのこと。
コーヒーの淹れ方に違いがあるのかを聞くと、「通常店内で出すときは、ペーパードリップで淹れますが、エチオピアの伝統的な抽出方法は豆を煮出すやり方です。月に一回、不定期でイベントを開催しているんですが、そのときはエチオピアの、昔からある茶器を使って、伝統的な淹れ方を紹介しています」。
煮出すと香りが飛ばず、濃いのにスッと入ってくるような美味しさを感じられるとのこと。煮出したら香りが飛ぶかと思っていたら…意外です。
「コーヒーを通じてエチオピアを知ってもらいたい、文化を知ってもらいたいですね」と話す晴絵さん。伝統的なコーヒーの飲み方のなかには、エチオピアのハーブを入れたり、塩で味わったりする飲み方もあるそう。さまざまな民族によってコーヒーの楽しみ方があり、その違いもイベントで紹介しているそうです。
コーヒーはもちろん、スイーツもすべて手作り&オリジナル。マフィンやケーキ、パイやクッキーなどコーヒーにぴったり寄り添う焼き菓子を提供しています。ちなみにこの日は「キャラメルリンゴマフィン」と「オーツのクッキー」(各200円)が。日によっては、エチオピア産の生蜂蜜を使ったスイーツも登場するそうです。
自宅でも飲みたい人におすすめの、コーヒー豆も販売しています。
“G1”とは?「グレードです。最も品質がいいんですよ」。ちなみに「グジ ナチュラルG1」は、酸味と苦味のバランスがよく、ほどよいコクが感じられます。ミルクとの相性もいいそうです。
コーヒーを飲みつつ、なぜ葛飾区がリトル・エチオピアと呼ばれるようになったのかを聞くと「葛飾区のなかでも四ツ木にエチオピアの人が多いんですよ。元々は住まいの問題で、エチオピアの人に理解のある大家さんがいたことがきっかけですね」。
なるほど。部屋が借りられる、だからみんなが集まってきた、ということですね。
「エチオピアの人は、おだやかでやさしい人が多いですよ。日本のやり方を受け入れて生活している人がほとんどで、自国のやり方を押し付けたりません。明るい性格の方ばかりです」。
エチオピアの音楽が流れ、エチオピアの絵画が飾られている店内は、静かで落ち着いた雰囲気です。ここではコーヒーを飲みつつ、ゆったりした気持ちで過ごして欲しいとのこと。駅から少し離れた隠れ家的なコーヒーハウスは、緑のドアが目印です。
(撮影◎奥西淳二 取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO
店名:エチオピアン コーヒーハウス
住:東京都葛飾区東金町2-19-13
TEL:03-6874-5143
営:9:00~17:00(LO)
休:日曜
※2018年12/28~2019年1/3まで休み