
今、首都圏に続々と鶏素揚げの専門店が登場中なのをご存知でしょうか? からあげよりも軽く、女性にも食べやすく肉本来の味を楽しめるのが、人気のポイントではないでしょうか。
今回、お邪魔した北千住の『素揚げ酒場 パリパリ』もその一つ。JR北千住駅西口を出て、ディープな飲み屋街「飲み屋横丁(通称:飲み横)」の中を通過してしばらく歩いたところにあり、17時の開店と同時に満席になるほどの人気店です。店名から、鶏のパリッとした食感を想像してしまった私。ワクワクしながら暖簾をくぐりました。

オーダーしたのはこちらの看板メニュー「大山鶏パリパリ半身揚げ」(980円)。自家製のタレに12時間漬けこみ、衣をつけずに低温と高温で2度揚げする素揚げです。出てくるまでに20分ほどかかりますが、それが美味しさの秘密。まず低温で中までじっくりと火を通し、そして高温で表面を一気にパリパリにするわけですね。
さあ実食。身をほぐそうと、手羽先と手羽元をつかんで左右に引っ張ると「パリパリパリッ…!」という音が!これまでいろいろな素揚げを食べてきましたが、こんな音のするものは初めてです。店名の“パリパリ”は、てっきり食感のことかと思っていましたが、この音にも由来していたのです!
もちろん食感もパリパリ。歯を立てると、これまた「パリパリパリッ…!」っという音が。ムネ肉は柔らかく、ホックリ具合がうれしい。私は素揚げを食べるときは、たいてい箸は使わずに手づかみです。


しかしここの素揚げ、手づかみで食べると、両手がベタベタに…。油のせいもあるのですが、あふれてくる肉汁がとにかくすごいんです! とくにモモ肉は歯を立てると、閉じ込められていた肉汁が解き放たれたように一気に流れ出てきます。肉が肉汁に押し流されて口の中に入ってくるようで、気が付くと口の周辺はおろか、両手が肉汁まみれ…。旨みも強く、そしてここまでの肉汁と表面のパリパリ感は、ほかではなかなか体験できません。
ちなみにこちらでは、鶏だけでなく、赤エビやししゃも、野菜の素揚げなども人気。訪れたときにはぜひ味わっておきたいですね。
●SHOP INFO

店名:素揚げ酒場 パリパリ
住:東京都足立区千住2-39-18
TEL:03-5284-6828
営:平日17:00~24:00(L.O.23:00)
土15:00~24:00(L.O.23:00)
日・祝15:00~23:00(LO22:00)
休:なし
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。