規格外や傷が付いた魚が安くおいしく食べられる
『○魚』で提供されているのは、プロが目利きした旬の魚だけではありません。規格外であることを理由に廃棄される魚や野菜をおいしく調理する飲食店を中心としたアクション「もったいないプロジェクト」の理念に基づき、サイズが小さすぎたり、傷が付いてしまったりした魚を使った料理を提供しています。
たとえば「葱まみれ!! まぐろ中落ち」は、まぐろの捨てられてしまう部位を買い取り、骨と骨の間に残った身を削ぎ落として、生の本まぐろの中落ちと合わせて作られています。本来は捨てられる部位とはいえ、味はまったく問題ありません。しかも、これだけボリューミーなのに1,280円というのですから、次々に料理を頼みたくなりますよね。

入荷される魚は日によって異なり、この日は「本日の塩焼き」として「真鯛の塩焼き」、「本日の煮魚」として「金目鯛の煮付け」をいただきました。


鯛は1kgを下回ると値段が下がるらしく、市場では残りがちなのだとか。とはいえ、実際に食べてみると身がギュッと引き締まっており、大きい鯛との違いはほぼわかりません。
金目鯛に関してもサイズが重要で、こちらも市場では売れない小ぶりなものを仕入れて煮付けにしているそうです。通常、金目鯛の煮付けといえばかなり値の張る料理なので、これが1,280円で食べられるとは、なんともありがたい限り!
ほかにも、殻が少し欠けてしまったことで値が付かない南三陸産の大きな牡蠣を使った「殻付き!!丸ごとカキフライ」や、季節外れで売れ残ってしまう魚を使った「魚屋のサンドイッチ」など、文句なしにおいしい魚料理のオンパレードが続きます。


ユニークなのは「お刺身7点盛り」。7点盛りと書かれているものの、実際に運ばれてきた魚を見ると10点あるんです。これは実は○魚ならではのサービス。筆者が参加したのはメディア向けの試食会だったので特別にやってくれたのかと思いきや、普段もこのサービスをしてくれるそうです。なんと太っ腹な!


締めにぴったりな「貝汁」は、約300gの貝を使って780円。こうなると、この店だけ価格破壊が起きているような感覚になるほど、とにかくどのメニューもおいしいのにめちゃくちゃ安いんです。“もったいない”精神で扱う魚介類のポテンシャルをここまで高めてくれるとは、いい意味で期待を大きく裏切られるはず。

店頭ではおすすめ鮮魚の販売も
居酒屋だけかと思いきや、○魚では店頭の軒先で鮮魚や干物も販売されています。この日は大きなタラバガニが3,000円という大特価で売られており、つい目を留めてしまいました。干物も立派なものが並んでおり、魚を買いに訪れるだけでもワクワクしますよ。

もったいない食材をとにかくおいしく、安く楽しめるラフな居酒屋「○魚」。“魚が食べたい日に行く居酒屋リスト”に加えてみませんか?
(取材・文◎今西絢美)
●SHOP INFO

店名:○魚(まるっと)
住:東京都江東区富岡1-23-4
TEL:03-5875-8557
営:16:00~23:00
休:不定休