大きくてサックサクのかき揚げ

『うどん そば加賀』は、初台駅の新国立劇場方面出口を出たら目の前にありました。
到着したのはお昼前でしたが、美味しいことを知っている人たちで早くも行列ができ始めています。数えてみると筆者は11番目。とはいえ立ち食いなので回転は早いだろうと高をくくっていたら、これが思ったより時間がかかり、入店できたのは約20分後のことでした。
さて、店内は立ち食いなので、カウンターのみ。一度に8人が食べられる空間になっています。そしてお客さんが食べているものを見てみると、ほぼすべての人が「かき揚げそば」です。あの営業マンコンビの言う通り。
その店内はその天ぷらを揚げる油とダシ&つゆの匂いが充満しているのですが、もうこれだけで、ここのかき揚げそばは絶対ウマいだろう、と確信できてしまうくらい、良い香りなんです。
店には「注文が入ってからかき揚げを用意するので少々時間がかかる」との表示がありました。これをほとんどの人が注文するので、待ち時間も長かったわけですね。
さっそく筆者も「かき揚げそば」(650円)を注文。厨房では、揚げ物担当と、そばゆで担当の2人が忙しく立ち働いています。次々と揚げ物ができ、それが茹で上がったそば、もしくは冷やしたそばの上に小気味よくのせられ、どんどんカウンターに出されます。
そして筆者の前に登場した「かき揚げそば」がこちら。

揚げたてのかき揚げが熱々のかけそばの上にど〜んとのっています。そのかき揚げがびっくりするほど分厚い!
かき揚げに割り箸を入れると、サックサク。口に入れたらカッリカリ。衣が薄く、油のキレもよくて、タマネギの甘味が口の中でふわっと広がります。なんという美味しさ……!
続いて、肝心のそばをひと口。生そばを茹でたばかりなので、香りも食感も最高。おつゆもダシがしっかり効いていて、文句のつけようがありません。まさに、完璧なかき揚げそばと言っていいでしょう。これが、たったの650円なんて信じられないくらい!
食べ進めるうちに、かき揚げがおつゆに浸かっていきますが、なぜかフニャッとなりにくい! おそらくかき揚げの衣の量が少ないせいかもしれません。

正直、あまりの美味しさにこの絶品がたった650円なのか……と感動してしまいました。さすが、日々、立ち食い蕎麦巡りしている営業マンコンビが激推しする店だけあります。
というわけで、初台の新国立劇場に行った際には、ぜひ『加賀』で「かき揚げそば」食べてみてください。感動必至ですよ。
(撮影・文◎土原亜子)