ニンニクとスパイスが強烈なチャーハン!

――『ミッキー飯店』ってずいぶん可愛い名前ですね。どんなお店なんですか?
「1969年(昭和44年)創業の老舗中華屋さんです。『孤独のグルメ』で、井之頭五郎(松重豊さん)が2回も訪れているお店なので、知名度は全国的。ただこのお店、週に4日(火水金土)の11時15分〜13時15分の2時間しか営業してないので、並びます。前日くらいに“行くぞ!”と決めておかないと、なかなか食べられない店ですね」
――なかなかハードルが高いですね。どんなメニューが人気なんですか?
「町中華なので、ラーメンやチャーハン、中華丼や焼きそば類などがあるにはあるんですが、お客さんの大半が、〈ミッキーライス〉、〈ミッキーメン〉、〈ミッキーカタ焼きそば〉、そして今回ご紹介する〈ニンニクチャーハン〉を注文しています」

――“ミッキー”とついているメニューはどんな味なんですか?
「“ミッキー”とは、この店オリジナルの餡かけです。豆板醤が利いたピリ辛のあんかけです。具材の肉はレバーと豚肉、野菜はキャベツ、ニンジン、ニラ、タケノコ、シイタケなど。これがライスや麺の上にたっぷりのった、スタミナ満点のメニューです」
![「ミッキーライス」普通盛830円[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/07/20250706-mikkiihanten04.jpg)
――「ミッキーライス」、食べてみたいですね。でも秋山さんの推しはやっぱりチャーハンですよね?
「はい。ミッキー系メニューは他では食べられないものですが、ここのニンニクチャーハンも、まさしく唯一無二の味わいです。とにかくインパクトがあって、初めて食べた時は衝撃的でした」

――ビジュアルが真っ黒ですね!
「はい。色もさることながら、食べてみるとニンニクの味がすごいんです。ガツンと来る、というよりガツンガツンガツンと連発される感じ。食べているそばからニンニクパワーで元気がみなぎっていくような……。こんなチャーハン、他には絶対ないですよ」
――ニンニク以外に、具材は何が入っているんですか?
「一般的なチャーハンに入っている玉子やチャーシュー、ナルトなどは入っていなくて、ひき肉とネギ、そしてニンニク、そしてオリジナルで配合しているスパイス11種類が入っています。だから真っ黒になるみたいです。でも不思議なことに、カレー味では全くありませんよ」

――具体的にどんな味ですか?
「ニンニクの風味が立っていて、スパイス感も強い。キレッキレに尖っているとしか表現できません(笑)。しっとり系で、口の中でご飯粒がパラパラっとほどけるんですが、スパイス・ニンニク・ご飯が一体となって口の中に広がるバランスがものすごくいいんです。味もバランスも炒め方も最高だと思います。ちなみに、この炒飯をスープに浸して食べるのもめちゃくちゃ美味しいので、ぜひ試してみてください」
まとめ

というわけで後日、『ミッキー飯店』に行ってきました。開店の15分前に店に到着すると、並びは10人ほど。平日だったこともありますが、なんと幸いなことに1巡目で入店できました。しかし、カウンター5席とテーブル4人席2卓なのであっという間に満席です。
そして秋山さんの言葉通り、みなさん、ミッキー系メニューか、ニンニクチャーハンをオーダーしていました。筆者はもちろん「ニンニクチャーハン」を。ちょっと引くほどのニンニクの強さに驚きましたが、どの料理ジャンルにも属さない摩訶不思議なチャーハンで、カルチャーショックにも似た衝撃でした。次はミッキーライスかミッキーメンも食べてみたいです。
(撮影・文◎土原亜子)