選べるスタイル、選べる挽肉!

まずは『神徳』のメニューの説明から。写真を見ていただくとわかる通り、料理は「定食」、「丼」、「出汁」というスタイルに分かれています。変わったところで言えば、「出汁」スタイル。ハンバーグとご飯を盛った皿に、上から和出汁や出汁カレーをかけていただく、非常に斬新なスタイルです。
続いて「定食」。こちらもかなり変わっています。「ハンバーグ定食」には、1人前、1.5人前があって、1人前(1650円)をオーダーすると、ハンバーグの挽肉を「牛・豚・羊・牛豚羊合挽・鮪(マグロ)・鯛(タイ)」の中から2種類選ぶことができます。1.5人前(2130円)の場合は、3種類です。そして、ハンバーグは種類ごとに2個ずつ提供されます。
たとえば、ハンバーグ定食を1.5人前にし、牛・羊・鮪の3種類を選ぶと、牛挽きのハンバーグが2個、羊の挽肉のハンバーグが2個、鮪の挽肉のハンバーグが2個、つまり計6個のハンバーグが出てくるんです。そもそも、牛や豚ならともかく、羊や鮪、鯛の挽肉まで選べる時点で、かなり変わってますよね。
では、最後に「丼」のスタイルの説明です。

「丼」スタイルの場合、選べるのは牛挽のハンバーグのみです。こちらも1人前(1150円)、1.5人前(1580円)、2人前(1990円)とあり、牛挽のハンバーグがそれぞれ2個、3個、4個と増え、丼ご飯の上に重なって串刺しにされて登場。ハンバーグの上には、大根おろし、卵黄、そして自家製のオニオンおろしソースがかかっています。
このように、一般的に想像するハンバーグとは、提供スタイルにかなり大きく隔たりがあることがお分かりいただけたかと思います。
ハンバーグ自体も相当変わってる!

提供スタイルも変わっていますが、ハンバーグ自体も相当変わっています。前述したように、牛肉だけでなく鮪や鯛などを挽肉にする時点で珍しいですが、実は牛肉を使ったハンバーグの味や食感もひと味違うんです。

写真のように、つくねのようにぎゅっと握ったようなしっかりした歯応えがあり、肉がみっちり詰まっているのです。まず、カットしても肉汁が溢れ出ません。が、しかし、噛めば噛むほど肉の旨みが舌に広がります。ひと言で言うと、「肉を喰らえ!」と言わんばかりの、肉々しく力強いハンバーグ。

実は、ここの牛ハンバーグの挽肉は、牛肉100%に牛すじを加えた超粗挽き。そして常に挽きたての肉をつなぎなしで使用しています。そのハンバーグのタネを炭火で焼き、2割ほど縮めた状態にしているとのこと。この炭火で焼く工程を『神徳』では「焼き締め」と呼んでおり、これによって、ふわふわのハンバーグではなく、“ギュウギュウ”のハンバーグを目指しているんだとか。
まとめ

今回、筆者がいただいた「ハンバーグ丼」は、大根おろし、卵黄、自家製オニオンおろしソース(醤油と玉ねぎとりんごのすりおろし)がハンバーグにかかっており、このコラボレーションが素晴らしい! いずれも素材はシンプルながら、肉々しいハンバーグに優しい味が寄り添い、肉の旨みを何倍にも底上げしています。
“ハンバーグ丼”と言うとそこはかとなくジャンクなイメージがわきますが、ここ『神徳』のハンバーグ丼は別。やはり銀座の街にふさわしい贅沢な丼でした。1人前なら1150円ですが、ハンバーグが割とさっぱりめなので、少食でないなら、女性でも1.5人前以上を注文することをオススメします!
(撮影・文◎土原亜子)