25年に一度の祭を控える「北野天満宮」の見どころは?

平安時代中頃の天暦元年(947年)に創建され、”てんじんさん”との呼び名で親しまれている「北野天満宮」。御本殿へと続く参道には、2027年に行われる「半萬燈祭(はんまんとうさい)」に向けて、約3000個もの提灯が飾られていました。このお祭は、祭神・菅原道真をしのんで25年に一度斎行される重要な行事。
また、毎月25日に行われる縁日の日にはライトアップが行われ、幻想的な光景が広がります。

境内のあちこちに「なで牛」と呼ばれる牛の像が置かれているのも見どころのひとつ。牛は”神様の使い”とされており、いつからか体を撫でるとご利益があるといわれるようになったそう。学問の神様である道真公にあやかって頭を撫でたり、足に不調があれば足を撫でたりと、信仰の対象として大切にされてきました。
●DATA
北野天満宮
住:京都府京都市上京区馬喰町
開館時間:7:00~17:00
門前の人気店『とようけ茶屋』で絶品豆腐料理を味わおう!

北野天満宮を訪れたらぜひ立ち寄ってほしいのが、鳥居のすぐ目の前にある『とようけ茶屋』。明治30年創業の老舗豆腐店「とようけ屋山本」が手掛けるお店で、出来立ての豆腐料理を手頃な価格で楽しめます。
平日の開店直後に訪れたところ待ち時間なしで入れましたが、店員さん曰く「休日は1時間以上お待ちいただくこともあります」とのこと。人気メニューはすぐに売り切れてしまうので、早めの時間に訪れるのがおすすめです。
創業130年の技が光る「生ゆば丼」

注文したのは人気メニューの「生ゆば丼」。付き出しの寄せ豆腐は、とろけるような食感で大豆の風味がしっかり感じられます。わさびや生姜といった薬味はなし、ほんの少しの醤油をかけただけでこんなにも美味しいのか……と、一口目から老舗の実力を感じました。

生ゆば丼は葛で仕上げた餡とおろし生姜、刻んだ三つ葉がのっています。一口食べてみると、出汁の風味と上品な甘みが生ゆばにしっかり絡んでいて上品な味わい。つるりとしたやわらかい食感と、豊かな大豆の風味が楽しめます。
生ゆばの下には甘辛く炊いた椎茸が入っており、プリプリ食感と濃厚な旨味がアクセントに。ときどきやってくる生姜の風味、三つ葉の爽やかさも効いています。

京都といえば生ゆばが有名ですが、これを一般家庭に広めたのが同店の3代目店主。ゆばの製造を始めた1997年頃は乾燥ゆばが主流で、生ゆばは玄人向けに流通していました。
一般の人にも味わってほしいと販売を開始すると「どうやって食べたらいいの?」と質問が相次いだそう。食べ方を知ってもらおうとメニューに取り入れたところ、瞬く間に広まり、ほかの豆腐屋でも売られるようになりました。
北野天満宮の目の前という絶好のロケーションでいただく絶品の「生ゆば丼」。行列が出来るのも納得です。
●SHOP INFO
とようけ茶屋
TEL:075-4620-3662
住:京都市上京区今出川通御前西入紙屋川町822
営:飲食11:00~14:30、売店9:00~17:30
休:木曜(25日営業/月2回不定休)
お土産にもぴったり!『とようけ屋 山本』の手作り豆腐

せっかくなので本店にも行ってみたいと思い、お店から徒歩7分ほどの場所にある『とようけ屋 山本』へ。平日にも関わらず常連らしきお客さんが次々と訪れ、看板商品の油揚げは既に売り切れていました。

厳選した大豆で丁寧に手作りした豆腐は15種類以上。ショーケースには木綿豆腐や絹豆腐といった定番品から、青紫蘇豆腐、豆乳ヨーグルトなどの変わり種まで、さまざまな商品が並んでいます。硬さや食感、風味がそれぞれ異なるため、自分好みの豆腐を探してみるのも楽しいですよ。
●SHOP INFO
とようけ屋 山本
TEL:075-462-1315
住:京都市上京区七本松通一条上ル滝ヶ鼻町429-5
営:7:00~18:00
休:正月、お盆以外原則として無休
天神さんと老舗の味わいを訪ねて
歴史ある神社でお参りをして、門前で極上の「生ゆば丼」に舌鼓。京都らしい贅沢な時間が過ごせます。参拝と美味しい豆腐を目当てに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
(撮影・文◎安達春香)