
働く妙齢男女が直面する「野菜を摂らなきゃ」プレッシャーも何のその。楽しくおいしく、野菜で飲めれば最高! と、酒に合う野菜のおつまみ、通称“ベジつまみ”を提案。外食好き&料理ベタの酒飲み女性ライターが、マクロビ料理家・丸さんの指南を受けつつお届けします。
さあ、昼から呑もうと思い立った休日。ワイン片手に丸さん宅にお邪魔したのはよいのだが、出してくれたつまみは……茹でブロッコリー? ニンニクがのっているとはいえ、どうもパンチに欠ける気分。
「ははは。まあいいから食べてみてください」と丸さん。
あれ、しっかり塩味。加えてニンニクのたまらない風味と、お出汁のようなよい感じの奥行きが。よく見ると、アンチョビの粒々が散りばめられているではないか。パンチに欠けるどころか、あっという間に一杯目が空いた。なぜブロッコリーなのか、食べれば理由がよく分かる。香味オイルがしっかり染み込む頭の部分と、野菜の甘さが前に出る芯の部分、それぞれが入り交じることで飽きずに箸が進むのだ。
「ニンニクとアンチョビで風味をつけた油と和えるだけなんです。シンプルなぶん、ブロッコリーの食感が味の要になるので、茹ですぎにはくれぐれも注意してください」。
仕上げに白ワインを振りかけるひと手間があるだけで、味にほんのり上品さが加わるというから料理とは不思議だ。この香味油、ブロッコリー以外の野菜でも応用が効く万能味。これからはアンチョビ&ニンニクをキッチンに常備して、家の残り野菜でパッとつまみを作ってやろう……と、ほくそ笑むのであった。
ブロッコリーのアンチョビ&ニンニク風味
材料(2人分)
・ブロッコリー……100g
・にんにく……1かけ
・アンチョビ……2尾
・塩……小さじ1/2
・白ワイン……大さじ1
・オリーブオイル……大さじ1
・コショウ……適量
※茹で湯用の塩 大さじ1
作り方
1.ブロッコリーは芯と頭を分け、それぞれ小口切りにする。にんにくはスライス、アンチョビは細かくみじん切りにしておく。
2.鍋にお湯を沸かし、沸騰したら塩を大さじ1入れ、ブロッコリーの芯部分を入れる。1分後に頭の部分を追加し、そこから2分半~3分茹でる。
3.フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れる。油が温まったらスライスしたにんにくを入れ、小麦色になる手前で小皿にあげ、火を止める。
4.余熱でアンチョビに火を通してから、湯切りしたブロッコリーを入れる。ワインと塩、コショウをふりかけ、全体をよく混ぜたら皿に盛り、ニンニクを飾る。
●プロフィール
料理監修/丸さん こと 丸山翔
埼玉県出身、東京在住。鉄板焼き料理人、マクロビオテックセラピスト。スケートボードライダーを経て料理修業を開始。自身の店を開店後、現在は野菜や自然食を得意とする半農料理人として出張居酒屋などのイベントも開催。トランスセクシャルとしてLGBTのサポート活動も行う。
HP: http://okonomimaru-sk8.wixsite.com/marusuke-kitchen
写真・文/木内アキ
北海道出身、東京在住。”オンナが楽しく暮らすこと”をテーマに、雑紙や書籍、ウェブなどで人・旅・暮らしにフォーカスした文章を執筆。好きなつまみは氷頭。目標は「きちんとした自由人」。執筆活動の傍ら、夫と共に少数民族の手仕事雑貨を扱うアトリエショップ『ノマディックラフト』を運営中。
HP: http://take-root.jp/