まさかのランチ500円! コスパだけでなく味も絶品『品珍閣』

関帝廟通りにある料理店のうち、特に平日のランチで流行っているのが『品珍閣』というお店。人気の秘密はワンコインでいただける点にありそうですが、そのあまりの安さにちょっとビビりながら店内へ。「五目そば」(500円・税込)をオーダーしたところ、きちんとおしぼりまで出してくれました。

さらに驚いたのが着丼した「五目そば」のビジュアル。丼から溢れんばかりの量の海老、イカ、豚肉、きくらげ、野菜などがテリテリに光を放ちドーンと盛られています。
さっそくいただいてみると、どの具材も食材本来の味を活かすように丁寧に調理されており、まさに絶品。その贅沢な具材をかきわけると、緩やかにウェーブした麺が登場し、これがまた美味。また、スープは丁寧に出汁を取っていることを強く感じるコク深く優しい味わいで、見た目に反して上品な印象を受けました。

正直、どうしてこれだけの味がたった500円で出せるのかが意味不明ですが、きっと「お店を知ってもらおう」「顧客に喜んでもらおう」と採算度外視で提供しているのだと思います。後に紹介する他店舗と比べてもダントツでランチが最高の『品珍閣』。この価格、味、量、中華街にいる人全員に教えたくなるような、神すぎるお店でした。
デザート付き・ご飯お代わり無料のランチが700円!『牡丹園』

中華街の大通りと関帝廟通りを結ぶ路地・香港路。比較的小型の料理店が並ぶエリアですが、この界隈の平日ランチ合戦が激しいです。安いお店では600円台からランチを展開しており、おおむね700~800円台で大満足のランチをいただけます。そんな香港路で、税込700円のランチメニューを豊富に展開しているのが『牡丹園』です。広東料理をベースに創作性の高い料理を出すことでよく知られた名店ですが、こちらでは「青椒肉絲ランチ」(700円・税込)を食べることにしました。

サーブされた「青椒肉絲ランチ」は、結構なボリューム感。牛肉の細切り肉、ピーマン、タケノコ、玉ねぎなどがスパイシーな味付けで炒められており、それぞれの素材の旨みを引き立てています。それでいて、素材個々のシャキシャキ、プリプリとした食感もきちんとあり、絶妙な火入れをしていることがよく伝わってきます。

この個性的な味は、大根の入ったあっさりスープとの相性も抜群。さらに、食後には杏仁豆腐のデザートまであります。この味・量で税込700円はかなりのお値打ちだと思いました。
老舗が生み出す滋味深い味わい『海南飯店』

中華街大通りは大ハコのお店が多いですが、ときどきこじんまりとしたお店もあります。こういったお店は古くから営業し続けているところが多く、そしてお店ごとに根強いファンがいることも多いです。そのうちの1軒がこちら『海南飯店』。1956年創業の老舗のお店ですが、こちらのランチもコストパフォーマンスに優れています。6種類あるうちの5つが税込750円。筆者は「ネギそば+半チャーハン」(税込750円)をオーダーしました。

『海南飯店』の「ネギそば」は塩ベースの透き通ったスープで、あっさりとした口当たりなのに滋味深い味わいで、美味しいです。シャキシャキのネギと和えられた焼豚の紅麹と味付けが、スープに溶け込み、後半はまた違った味わいになります。
「半チャーハン」のほうも、パラっとした仕上がりでお米一粒一粒が独立しているかのようで、これもまた美味。「ネギそば」同様、あっさりした味付けなので、「こってりの中華はちょっと……」という人には持ってこいのメニューだと思いました。

お腹がパンパンになったところで席を立とうとしたところ、店員さんがデザートを持ってきてくれました。この味、この量で税込750円はやはり素晴らしすぎると思いました。