
北海道の面積は都道府県で1番大きく、日本全体の約22%を占めている。あまりに広いため道内を14の地域に分けていて、そのうちのひとつに空知がある。
北海道の中西部、札幌と旭川の間に位置する、この空知のほぼ中央に、人口2000人にも満たない「浦臼(うらうす)」という小さな町があるのをご存知だろうか。


実はこの地域、埋もれさせておくにはもったいないくらい、食の偏差値が高い地域なのである。たとえば、ここは日本におけるマンゴー栽培の北限の地。穏やかな気候の恩恵だ。さらに、近年、白米愛好家から注目を集める品種「ななつぼし」の栽培も盛んで、ミニトマトやメロンの収穫も多い。
また、ワイン用ぶどうの作付け面積では日本一の広さを誇る北海道ワイン直轄農場“鶴沼ワイナリー”が所有する約110haもの規模の垣根式のぶどう畑は、日本最大のぶどう畑という。

そんななかでも特に浦臼町が自信を持つのが、「幻のそば」と呼ばれるぼたんそばと、農林水産省の「ジビエ特区」に指定された地区で食肉加工するエゾシカだ。
ぼたんそばは、北海道で最も古くから栽培されている品種のひとつだが、寒さに弱く、また背が高くて倒れやすい。栽培が難しいことから徐々に生産が減少し、現在では北海道産そばの9割近くが改良種の「キタワセソバ」で占められている。生産者泣かせのぼたんそばだが、味は絶品。他品種に比べて味や香りが優れていて、浦臼町では、契約栽培などの方法をとりながら栽培を維持している。
復活の在来種! 絶品のぼたんそば

ぼたんそばは、他品種に比べて甘さがあり、香り豊かな味が抜群。そば職人にもファンが多い。北海道では古くから作付けされていたが、栽培が難しいことから生産が減少し、今では「幻のそば」と呼ばれている。ざる、かけ、きのこそば、どんな食べ方にも合う。
北海道各地ではエゾシカの狩猟が行われているが、浦臼町は2018年3月に農林水産省からジビエ特区(ジビエ利用モデル地区)に選定され、北海道シュヴルイユ浦臼工場(国産ジビエ認証・北海道エゾシカ肉認証取得)を設置。道内でも、浦臼町から出荷されるエゾシカが特に美味しいといわれる理由は、捕獲されてから2時間以内に工場に持ち込まれた質の高いエゾシカのみを扱うからだ。
空知のエゾシカ、浦臼の新しい味覚

エゾシカはさっぱりとしていて、旨みや甘みもあり、高タンパク。ジビエ好きなら塩コショウだけで食しても良し、フレンチのコースとしてソースをかけて食べるのも美味。くせがなくて調理しやすいので、浦臼町では焼売、ソーセージなどに加工して販売している。
鹿の狩猟が解禁になり、新そばも出回る今の時期に、一度は浦臼町の食の恵にふれておきたい。
北海道の秘境・浦臼の味覚フェア開催!

2020年12月12日からおよそ1 ヶ月間、首都圏(『BISTRO PONT LEVEQUE』、『アンシャンテ』、『TRATTORIA TARTUC』)及び札幌圏の飲食店『蝦夷前そばと豚丼 北堂』、『さかなとお酒 うぉんたな』、『道産そば 一善』他、各飲食店において、浦臼産のぼたんそばやジビエを使った特別メニューを提供するフェアを開催。詳細は、今後浦臼町のホームページで発信。他では味わうことができない食体験をこの機会にぜひ!
●DATA
浦臼町役場産業振興課
TEL:0125-68-2114
https://www.town.urausu.hokkaido.jp/soshiki/syoukoukankou/urausufair.html