
目尻のシワやシミはジュエリー。時を重ねたからこそにじみ出る“おじさん”ならではの魅力に惹かれてやまない岩井ななが、気になる“すてきなおじさん”の仕事への向き合い方と、チャーミングな生き方に迫る連載。第2回は、富山で100年以上つづくお店『純喫茶ツタヤ』の4代目マスター・宇瀬さんを紹介する。
人生のステージにあわせて軽やかに舵を切る。二足の草鞋を履くマスター

富山市西町、路面電車が行き交う街の一角に、店前にクラシックカーがディスプレイされた喫茶店がある。大正12年(1923年)創業の富山最古の喫茶店「純喫茶ツタヤ」。
店内に足を踏み入れると、ビシッと決まったスーツ姿のマスターが出迎えてくれた。4代目マスター・宇瀬崇(うせ・たかし)さんだ。

富山市中心街で生まれた宇瀬さんは、実は本業で別の仕事をしている。そのため、月に数回、週末のみの出勤というマスターとしての関わり方をしている。
2016年、宇瀬さんはご両親からお店を引き継いだ。ただし、仕事は辞めず、本業を続けながら副業として喫茶店を経営するという条件の下だった。「2018年は副業元年と呼ばれた年。年齢を重ねてもなお、時代に合わせて軽やかに舵を切りたいと思った」と話す。時代にあわせて舵を切る姿勢が、宇瀬さんらしいかっこよさだ。

継承当初の1年間は、父である3代目の政厚さんと新しく迎えたスタッフと共に、客層や街の様子を観察。同じ頃に開業した近隣のレストランの店主に相談しながら協力を得て、メニューを一から考え直し、2017年には全メニューをリニューアル。朝7時からのモーニング営業も復活させた。古き良き趣を残しながらも、新生「純喫茶ツタヤ」としてのスタートを切った。







