【おじさんは宝石だ!vol.2】富山の老舗『純喫茶ツタヤ』4代目マスター・宇瀬さん/スーツもクラシックカーも歳を重ねるごとに似合っていく

【おじさんは宝石だ!vol.2】富山の老舗『純喫茶ツタヤ』4代目マスター・宇瀬さん/スーツもクラシックカーも歳を重ねるごとに似合っていく
食楽web

目尻のシワやシミはジュエリー。時を重ねたからこそにじみ出る“おじさん”ならではの魅力に惹かれてやまない岩井ななが、気になる“すてきなおじさん”の仕事への向き合い方と、チャーミングな生き方に迫る連載。第2回は、富山で100年以上つづくお店『純喫茶ツタヤ』の4代目マスター・宇瀬さんを紹介する。

人生のステージにあわせて軽やかに舵を切る。二足の草鞋を履くマスター

2023年の100周年を期に新しく作った「ツタヤ100」ロゴ
2023年の100周年を期に新しく作った「ツタヤ100」ロゴ

富山市西町、路面電車が行き交う街の一角に、店前にクラシックカーがディスプレイされた喫茶店がある。大正12年(1923年)創業の富山最古の喫茶店「純喫茶ツタヤ」。
店内に足を踏み入れると、ビシッと決まったスーツ姿のマスターが出迎えてくれた。4代目マスター・宇瀬崇(うせ・たかし)さんだ。

出勤時には、自らコーヒーを淹れる宇瀬さん。ダンディーな佇まいで淹れられるコーヒーはより一層美味しく仕上がりそう
出勤時には、自らコーヒーを淹れる宇瀬さん。ダンディーな佇まいで淹れられるコーヒーはより一層美味しく仕上がりそう

富山市中心街で生まれた宇瀬さんは、実は本業で別の仕事をしている。そのため、月に数回、週末のみの出勤というマスターとしての関わり方をしている。

2016年、宇瀬さんはご両親からお店を引き継いだ。ただし、仕事は辞めず、本業を続けながら副業として喫茶店を経営するという条件の下だった。「2018年は副業元年と呼ばれた年。年齢を重ねてもなお、時代に合わせて軽やかに舵を切りたいと思った」と話す。時代にあわせて舵を切る姿勢が、宇瀬さんらしいかっこよさだ。

リニューアル前からお店に飾ってあった鏡やインドネシアの工芸品を随所に配置した『純喫茶ツタヤ』の店内
宇瀬さんの祖父が輸入商をしていた頃のインドネシアの民芸品やリニューアル前の照明器具、調度品が随所に配置された「純喫茶ツタヤ」の店内

継承当初の1年間は、父である3代目の政厚さんと新しく迎えたスタッフと共に、客層や街の様子を観察。同じ頃に開業した近隣のレストランの店主に相談しながら協力を得て、メニューを一から考え直し、2017年には全メニューをリニューアル。朝7時からのモーニング営業も復活させた。古き良き趣を残しながらも、新生「純喫茶ツタヤ」としてのスタートを切った。