【冬の福井グルメ旅】福井で建築と庭園が楽しめる日本料理の名店3選

冬の味覚の筆頭「せいこがに」の旨みに感動!

「香箱ガニの飯蒸し」。濃厚な旨みと、カニ味噌をまとったもち米の優しい甘みが絶妙にマッチ
「せいこがにの飯蒸し」。濃厚な旨みとカニ味噌をまとったもち米の優しい甘みが絶妙にマッチ。※漁期は毎年12月末まで

席に着き、まずは三方産の自家製梅干しと百花蜜を白湯に溶いた「梅湯(ばいとう)」で胃をゆっくり目覚めさせたら、次に供されたのはせいこがに!

福井を代表する冬の味覚の筆頭といえば何と言っても越前がに(ズワイガニ)。中でも産卵を控えたメスは内子(卵巣)と外子(卵)を抱えていて、甘く濃厚な旨みから「せいこがに」と呼ばれ珍重されています。

そのせいこがにをもち米とともに蒸し上げた後、炭火で炙った一品がこちら。外子のプチプチとした食感とともに、身や味噌の濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。地酒との相性は言うまでもなく、これぞ「冬の日本海に来た」と実感できる瞬間でした。

上から時計回りに、「牡蠣なます」、「栗の茶巾絞り」、「大野の里芋」
上から時計回りに、「柿なます」、「栗の茶巾絞り」、「大野の里芋」

次に供されたのは八寸。大野産の里芋を炊き、あられ粉で揚げた一品をはじめ、柿なます、栗の茶巾絞りなど、随所に丁寧な仕事が光ります。特に里芋はサクサクした食感と、ねっとりとした里芋の旨みが絶妙! いずれも、食材の滋味深さが感じられ、前菜として、酒のアテとしても申し分ないひと皿です。

自ら八寸を供する友本さん。日本酒造りを学ぶため、秋田の人気蔵元・新政酒造でも修業した
自ら八寸を供する友本さん。日本酒造りを学ぶため、秋田の人気蔵元・新政酒造でも修業した

今回は残念ながらクルマで訪れたため、お酒のペアリングを試すことはできませんでしたが、さきほどのせいこがにといい、日本酒が進みそうです。

ご主人の食材に対する強い思いと丁寧な仕事ぶりが光る!

鯖江市河和田で製造された越前漆器を使用した「若狭ぐじの椀物」。だしが利いた滋味深い味わい
鯖江市河和田で製造された越前漆器を使用した「若狭ぐじの椀物」。だしが利いた滋味深い味わい

料理はさらに、若狭ぐじの椀物へと続きます。若狭で獲れたぐじ(甘鯛)に、丹波産のしめじと菊菜が添えられた一品。鮮やかな紅葉が描かれた椀に見入っていると、甘く香ばしい香りが立ちのぼり、思わずひと口。ぐじの上品な旨みと昆布だしが見事に調和し、絶品です。聞けば、福井県敦賀市に店を構える老舗、奥井海生堂の昆布を使っているそう。

石垣鯛(左)とアオリイカのお造り(右)
石垣鯛(左)とアオリイカのお造り(右)

お造りは、石垣鯛とアオリイカ。造り醤油やすだち塩でいただきます。石垣鯛は朝揚がったものを神経締めしたもの。鮮度抜群で、コリッとした食感と噛んだ後にくる旨みがたまりません、同じく、アオリイカも心地よい食感と甘みが際立っています。

小蕪とりんごの和えもの[食楽web]
小蕪とりんごの和えもの[食楽web]

その後、登場したのは和えもの。小蕪とりんごの酢の物で、さっぱりと口中をリセットしつつ、これまで味わった料理の余韻に浸っていると、ふと香ばしい肉の香りが漂ってきました。

厨房を見ると、塊肉が炭火で香ばしく焼かれている最中。すでに腹八分目の胃もこの香りにつられ、再び活性化していくのがわかります。

軽く炙られた京都・七谷鴨の鴨肉のほか、根せり、ごぼう、水菜が彩りを添える
軽く炙られた京都・七谷鴨の鴨肉のほか、根せり、ごぼう、水菜が彩りを添える

満を持して登場したのは、本日のメイン料理とも言える小鍋仕立ての鴨鍋! ぐつぐつ煮え立つ鍋から鴨肉を箸でつまんでひと口。うーん、脂身と赤身のバランスが絶妙で、思わず唸ってしまいました。鴨鍋を平らげた後は、鴨や野菜の旨みが溶け込んだ濃厚なだしに蕎麦を入れていただきます。まさに口福、至福。福井の幸を十二分に堪能できました。

最後に水菓子として供された「越前柿と柚子のソルベ」を楽しみながら、ご主人に「カニ料理を主体にしたコースを供する予定はありませんか?」と尋ねると、「まずはカニだけでなく、福井のさまざまな魅力ある食材を使った料理を出すことに集中したいと考えています」との返答。福井産の食材への強いこだわりと、実直なまでに料理と向き合うひたむきさが伝わってくる友本さん。今後の活躍から目が離せそうにありません。

●SHOP INFO
住:福井県福井市照手1-16-16
TEL:0776-87-0633
営:18:00〜(カウンター席18:30〜)
休:日・月
https://miketsukuni-tazune.jp/