冷麺のような強いコシの蕎麦に感動!

池袋東口からサンシャインシティ方面へ。若者が溢れかえる道を歩いて5分ほどの裏路地に『たぬきは飲み物。』はありました。小さなお店ですが、看板に緑のたぬきのイラストがドーンとあるので、かなり目立ちます。
店頭には写真付きのメニューがあり、さらに店先に券売機があります。メニューは、「たぬきそば」(冷やし)オンリーで、サイズはS、M、L、LLからチョイス可能。
その他、トッピングにはエビ、いかの天ぷら、ちくわ磯辺揚げ、肉盛りなどがあります。さらに半熟卵天丼とセットになった「ぽんぽこセットA」(990円)や、卵かけご飯が付く「ぽんぽこセットB」(990円)も。
可愛いネーミングだし、たぬきの丼ぶりも面白いんですが、池袋という街の特性に合わせてか、全体的に若者向けな雰囲気が強めです。

注文したのは、「たぬきそば」(M・890円)と、トッピングの「ちくわ磯辺揚げ」(200円)。チケットをカウンターに持っていくと、小さなしゃもじに数字が記された番号札を渡されます。
店内は、カウンターのみで、おそらく6名も入ればいっぱいになるくらいの小スペース。カウンターのそばには、“特製天かす”、蕎麦湯、粉末の出汁などが置いてあり、どれも無料です。そこで、あらかじめ“特製天かす”を器によそってスタンバイ。

待つこと6〜7分で番号が呼ばれました。「たぬきそば」をカウンターに受け取りにいきます。実物を見ると、たぬきの丼も、「の」の字のナルトも、コロンとしたうずらの卵も、なにもかもカワイイ!

食べるのがもったいないくらいのビジュアルですが、まずは、うずらの卵からつまんで食べてみると、カレー風味。いいですね。油揚げも甘さがほどよくて、これもイイ。
さらに、トッピングをかきわけて蕎麦を引っ張り出します。可愛くても、やっぱり蕎麦が美味しくないと意味がないですからね。で、食べてみて、驚きました!

自家製のお蕎麦は、ものすごいコシの強さ! まるで冷麺のように噛むと“びょんびょん”とは跳ね返るよう。
コシの強い蕎麦は何度も食べたことありますが、これは、ひょっとしたら過去最高かもしれません。コシ好きにはたまらない。筆者もめちゃくちゃタイプのお蕎麦です。

そして、美味しいのは蕎麦だけではありません。蕎麦の上には、先ほどのカレー風味のうずらの玉子2個、厚いナルト、海苔の天ぷら、甘辛く煮た油揚げ、ほうれん草、ネギ、揚げ玉、さらに魚粉もかかっていて、混ぜて食べると、どこから食べても美味しくて楽しい。
トッピングで追加注文したちくわの磯辺揚げも、フワフワで揚げたて。磯の香りが立って、柔らかくて、これも◎!

また、筆者がいちばん感動したのは、無料の“特製天かす”。ただの天かすではなく、実は青ネギの天ぷらなんですよ。塩味が効いていて、これだけで美味しいし、たぬきそばに入れたら、おつゆが染みて、さらに旨い!

食べ進み、蕎麦が半分になったあたりで、卓上にある特製ニンニクラー油や京七味で味変もできます。
Mサイズでも蕎麦量は一般的な立ち蕎麦屋よりも多く、なおかつ蕎麦に強いコシがあるので食べるのに少し時間がかかります。
が、こうした味変があるので、最後まで飽きないようにという心配りも嬉しい!

そしていよいよ蕎麦なくなったら、無料の蕎麦湯と魚粉を追加してみます。そば湯もとろりとしている本格派。おつゆ+魚粉で、旨味もバッチリ。最後の一滴まで余さず飲み干しました。
![無料の蕎麦湯を残ったおつゆに投入[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/09/20250920-tanuki12.jpg)
というわけで、『たぬきは飲み物。』の冷やしたぬきそば、最高でした。蕎麦自体が美味しいだけでなく、丁寧に仕込まれた楽しいトッピングや無料の特製天かすなどの脇役たちも大活躍で、最後まで楽しめました。
大げさではなく、パーフェクト! と言いたいくらいの美味しいたぬきそばでした。筆者は、すぐにまたリピートすると思います。みなさんもぜひ行ってみてください。
(撮影・文◎土原亜子)