アラン・デュカス氏が絶賛! 福井の名フレンチと銘酒のペアリング/ダイナースクラブ フランス レストランウィーク 2025がスタート

わざわざ旅する価値がある料理の数々。福井の食材が織りなす絶品フレンチを銘酒のペアリング

 イベントは、福井を代表する蔵元「黒龍酒造」初のスパークリング日本酒「KOKURYU Awa 序」での乾杯からスタート。日本酒のお米の甘さと細かな泡が心地よい、珍しいお酒です。

 一品目の冷前菜は「ジャガイモのコンフィへしこ奥井海生堂 昆布のジュレ」。絶妙に食感を残したジャガイモと、へしこや山椒などのトッピングを昆布のジュレがまとめ上げます。

「ジャガイモのコンフィへしこ奥井海生堂 昆布のジュレ」
「ジャガイモのコンフィへしこ奥井海生堂 昆布のジュレ」

 続いて「吉川ナスのグリエ ラタトゥイユ」は、福井県産の伝統野菜・吉川ナスを使ったインパクト抜群の一皿。グリエしたナスをラタトゥイユとじっくり合わせているため、ナス自体にしっかりと味が染みています。お皿の手前にある焼きナスのアイスを添えると、口の中でナスが再構築されるような、新鮮な驚きをもたらしていました。

 ペアリングには、今年新しく発売された日本酒「黒龍 山田錦」を。黒龍酒造の水野社長が「パワフルな料理に合うように選びました」と語る通り、お料理の美味しさを引き立てながら、しっかりとした存在感を放っていました。

「吉川ナスのグリエ ラタトゥイユ」
「吉川ナスのグリエ ラタトゥイユ」

越前焼の器に盛られた『ル・ジャルダン』のスペシャリテ

 日本六古窯の一つに数えられる「越前焼(えちぜんやき)」で有名な福井。そんな越前焼の器に盛られて提供されたのは、オープン以来の定番料理であり、『ル・ジャルダン』のスペシャリテ「六条大麦とイカの温かいサラダ 汐ウニ風味のエキューム」。蒸気に乗ってウニの濃厚な香りが広がり、細かく刻まれた県産六条大麦とイカの食感を楽しみながらいただきました。

「六条大麦とイカの温かいサラダ 汐ウニ風味のエキューム」
「六条大麦とイカの温かいサラダ 汐ウニ風味のエキューム」

 合わせたのは「黒龍 八十八号」。もったりとしたテクスチャーに、自然な甘みが重なり、優しいマリアージュを生み出していました。

ペアリングの「黒龍 八十八号」
ペアリングの「黒龍 八十八号」

 お魚のメイン「甘鯛のうろこ焼き 福井県産大豆の煮込み ソースヴァンブラン」は、自家製すだちコショウの爽やかさと白ワインソースのクリーミーさが溶け合う、優雅な一皿。程よく粒感を残した大豆に、魚や野菜、ソースを合わせていただけば、自然と優雅な気分へ誘われます。

 塩気の効いた味わいは、ペアリングした「ESHIKOTO さかほまれ生酒」の複雑な旨みとさりげない酸味と重なり合い、力強く印象的なマリアージュを生み出していました。なお、この日本酒は、黒龍酒造が運営する「ESHIKOTO」(福井県吉田郡永平寺町)でしか購入できない、特別な一本です。

「甘鯛のうろこ焼き 福井県産大豆の煮込み ソースヴァンブラン」
「甘鯛のうろこ焼き 福井県産大豆の煮込み ソースヴァンブラン」

 お肉のメイン「若狭牛もも肉のポワレ ペドロヒメネスヴィネガーを効かせた20年熟成ポルトソース」は、福井が誇る最高級ブランド黒毛和牛・若狭牛のもも肉を使用。福井の特産品で、からし種の油分を抜かず粉末にした「地がらし」で味付けされています。ポルトソースがクラシックな雰囲気を添え、フレンチらしい上質な味わいに仕上がっていました。こちらには赤ワインを合わせて。

「若狭牛もも肉のポワレ ペドロヒメネスヴィネガーを効かせた20年熟成ポルトソース」
「若狭牛もも肉のポワレ ペドロヒメネスヴィネガーを効かせた20年熟成ポルトソース」

コシヒカリを美しいフレンチデザートへ昇華

 お米をミルクと砂糖でやさしく甘く炊き上げた「福井県産コシヒカリのリオレ」は、秋の趣を感じさせる盛り付けが美しい一皿。粘りと甘みのバランスに優れたコシヒカリが、フレンチデザートとして新たな表情を見せてくれました。

 また、お酒で仕込む特別な一本「九頭龍 貴醸酒」は、お米由来のまろやかな甘みがふくらみ、余韻まで贅沢。口の中をやさしく包み込むような極上の味わいでした。

デザート「福井県産コシヒカリのリオレ」 [食楽web]
デザート「福井県産コシヒカリのリオレ」 [食楽web]

 最後は、3種類のミニャルディーズとコーヒーでフィナーレ。堀内シェフが紡ぐ福井の食材を使った料理と、黒龍酒造の日本酒が織りなすペアリングを体験した貴重なひとときを華やかに締めくくってくれました。

「ダイナースクラブ フランスレストランウィーク 2025」では、今回ご紹介した「吉川ナスのグリエ ラタトゥイユ」を含むランチ・ディナーコースを特別価格で楽しめます。

「大地への敬意、四季のうつろい、人々の想いに根差した日本の食材に魅了されています。堀内シェフの才能と感性によって、これらの食材がさらに輝きを放つことをとても嬉しく思います」とアラン・デュカス氏が語る通り、素材の魅力とシェフの腕が織りなす特別なお料理を味わうために、福井まで足を運ぶ価値は大いにあるでしょう。
「ダイナースクラブ フランスレストランウィーク 2025」には、このほかにも北海道から沖縄まで全国各地の約500店のフレンチレストランが参加。一年に一度のこの機会に、気になるお店で美食体験を楽しんでみませんか?

(撮影・文◎岩井なな)

●DATA
ル・ジャルダン
https://lejardin-fukui.com/

ダイナースクラブ フランスレストランウィーク 2025
https://francerestaurantweek.com/