
●蕎麦が好きでお酒が好きな小宮山雄飛さんが、美味しいお蕎麦屋さん、そして蕎麦屋呑みの魅力を伝える連載。今回は東京・日本橋の立ち食いそばの名店『そばよし 日本橋本店』を訪問してきました。
今や、初めてのお店に行くのにも、スマホ1台あれば地図アプリで迷わず行ける時代。しかし、日本橋の『そばよし』に行く時は、スマホの電源を切って、ぜひとも己の嗅覚だけを頼りに行ってみてほしい!
最寄りの三越前駅を出て、東に少し向かうと、すでに鰹節のいい香りが漂ってきます。その香りのほうへ向かうと、鰹だけじゃない蕎麦つゆの美味しそうな香りが強くなってきて……

ここだ! と思う角を曲がると、そこに現れるのが『そばよし 日本橋本店』。13代続く鰹節問屋である『中弥商店』が営む立ち食い蕎麦屋さんです。
香りの発生地点は、店舗の3階にある鰹節工場。大元の商売である鰹節を、常に大量に削っているんだから、そりゃーいい香りが漂うはずです。
立ち食い蕎麦店としても24年の歴史がありますが、鰹節問屋としては日本橋に移ってからだけでも、なんと180年以上の歴史があるというから、文字通り江戸から続く老舗中の老舗です。