今、日本のチーズがおいしい!国産チーズを牽引する「北海道チーズ」の工房3軒を巡る旅

八雲町『チーズ工房小栗』。ユニークな「ウメ」など独自のチーズがたくさん

「チーズ工房小栗」放牧地
「チーズ工房小栗」放牧地

 八雲町『チーズ工房小栗』では、放牧酪農を採用し、豊かな牧草の中、自由に歩き回る環境で乳牛が育まれています。牛の健康がチーズの味に直結することを証明するような自然の循環と調和から生まれたチーズが魅力です。

 四季によってミルクの特性も変わる。牧草が生える春夏の牛乳は黄色味がかり、力強い「ミルクの力」を感じるそう。季節によって味や風味も変わるため、その季節に合わせたチーズ作りをしているのも特徴です。

 こちらではセミハード「ペレ」、フレッシュ「モッツァレラ」、パスタフィラータ「ヤクモ」など、バラエティ豊かなチーズを製造しています。中でもユニークなのが、庭の梅から造る梅酒で外皮を洗いながら熟成させたウォッシュタイプ「ウメ」。3年の試行錯誤を経て完成したこのチーズは、日本酒とも相性バツグンです。

●DATA
チーズ工房小栗

住:北海道二海郡八雲町春日164-8

洞爺湖町「レークヒル・ファーム」の看板商品はロングロングストリングチーズ

レークヒル・ファームの前で [食楽web]
レークヒル・ファームの前で [食楽web]

 洞爺湖のほとりに広がる『レークヒル・ファーム』は、東京ドーム17個分にも相当する広大な牧草地で牛が育てられています。看板商品は、驚くほど長い「ロングロングストリングチーズ」。素朴で濃厚なミルクの味わいが魅力です。

「ロングロングストリングチーズ」
「ロングロングストリングチーズ」

「ここに来ないと食べられないものをつくる」という想いのもと牧場体験やチーズづくり、ピザ焼き体験などを組み合わせたツーリズムも人気。ここでしか味わえないチーズと風景を提供し、チーズをめぐる北海道の魅力を発信し続けています。

●DATA
レークヒル・ファーム

住:北海道虻田郡洞爺湖町花和127
https://www.lake-hill.com/

足寄町『しあわせチーズ工房』の代表作はハードタイプの「幸」

工房を立ち上げた本間幸雄さん
工房を立ち上げた本間幸雄さん

 北海道・足寄町にある『しあわせチーズ工房』は、共働学舎新得農場でチーズ作りを学んだオーナーと、冬は搾乳しないという季節繁殖型酪農を実践している地元酪農家がタッグを組んで立ち上げた工房です。

 代表作であるハードタイプの「幸(さち)」は、濃厚で力強い味わいと香りが魅力。ウォッシュタイプ「茂喜登牛(もきとうし)」やモッツァレラチーズなど、足寄の気候風土が育むミルクのおいしさを体感できるチーズが揃っていて人気を呼んでいます。

 ぜひ北海道の工房を訪ね、人と風土が育てたチーズの味を体験してみてはいかがですか?

●DATA
しあわせチーズ工房

住: 北海道足寄郡足寄町茂喜登牛141-4
https://www.shiawasecheese.com/

※この記事は、過去連載の「北海道チーズ見聞録」を再編集したものです。