温泉噴気のかまどで調理する「地獄蒸し」に挑戦!

さあ、食材が揃い調理していきます。調理と言っても食材をかまどに入れるだけ。だけどとっても楽しい! 蒸気の勢いがすごく、前が見えない状況にテンションが上がります。食材を入れたらあとはお任せ、時間になったら呼んでくれます。しかし、ピザを水蒸気で調理するとは。水っぽくならないのかと少々心配です。

豚バラは2分の蒸し時間とすぐに仕上がり、付属の調味料のポン酢でいただきます。熱々の豚バラとポン酢が美味くないはずはない!続いてピザが出てきました。見た目に水っぽさはなく、ふっくらと仕上がっています。食べてみると生地があまりにモチモチなので、米粉なのかと聞いてみると、小麦粉を使用しているとのこと。これが温泉の蒸気の効果なのか。味付けは自家製のクリームソースで、海鮮との相性も抜群でした。


それにしても、ただ蒸しているだけなのに全ての料理が抜群に美味しいのはなぜなのでしょうか? そんな疑問をスタッフの安部さんに聞いてみると、「高温、短時間で調理することで、旨味がギュッと閉じ込められるんです」とのこと。何も調味料をつけなくても、ほんのりと塩味を感じるのも温泉の効果なのだとか。

温泉噴気のかまどで調理する地獄蒸しは、長期滞在の湯治客の自炊で利用したもの。今では鉄輪温泉の郷土料理になっています。噴き上げる蒸気のかまどは大迫力で、料理ですが同時にアクティビティーの要素も兼ね備えています。食材は手頃な価格なので、色々と試せるのがいい。地獄蒸し料理を楽しんだ後は、貸切温泉や伝統工芸の体験(要事前予約)もできるので、あわせてのんびり過ごせる施設でした。
●著者プロフィール
矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。