行列ができる有楽町の名店『とんかつ あけぼの』で味わう昭和の絶品ランチ

行列が絶えない理由!有楽町のレトロ名店『とんかつあけぼの』で味わう昭和の絶品ランチ
食楽web

 有楽町の交通会館でパスポートの更新に出かけた時のことです。

 お盆前のせいか、待合室はすごい混雑ぶり。すべての手続きを終えるのに、どうやら1時間では済まなさそうです。

 こうなったら気長に構えるしかありません。幸い交通会館といえばアンテナショップや飲食街が充実していて、時間潰しにはもってこいの場所です。

 館内をぶらぶらと歩いていると、どこかノスタルジックな細路地を発見。そして、そこにずらりと並ぶ行列。これはいったい?

 気になって先を見ると、「味自慢 とんかつ あけぼの」の看板が目に飛び込みました。昭和の雰囲気が色濃く残るレトロな外観。並んでいるのはほとんどがサラリーマンの男性たちです。(9割以上は男性!)

 これは並ぶしかない!

 フードライターとしての勘がピンときました。ここはきっと“アタリ”の店だと確信し、行列の最後尾に加わります。

 順番が進み、いよいよ入口に近づくと、前に並んでいた人が店側の窓ガラスにホワイトボードを掲げる場面が目に入りました。どうやらここでは、ホワイトボードに書いた文字で注文をするスタイルのようです。

 さっそく「とんかつ定食」と記して、ドキドキしながら窓ガラス越しに掲げると、店内にいる女将さんと目が合い、数秒後に「どうぞ」という合図が。これで注文完了です。

 なんとも素敵なやりとり。女将さんと目が合った瞬間、まるで初恋のような胸の高鳴りを感じました。

 行列には15人ほど並んでいたものの、大将と女将の見事な連携で予想より早くカウンターに通されました。

 そしてついに、とんかつ定食が登場!

 目の前に置かれたとんかつは肉厚で、カットするとジューシーな肉汁がじんわりとあふれ出します。粗めのパン粉が軽くサクサクと香ばしく、一口頬張るごとに、ラードのコクと絶妙な旨味が広がります。

 まずはソースで、次に塩、最後に醤油とからしで試してみました。個人的には醤油とからしの組み合わせが特にお気に入りでした!繊細な醤油の香りが、ラードの風味と絶妙に絡み合い、とんかつの旨味をさらに引き立てます。

 千切りキャベツは細やかに刻まれ、シャキシャキとした歯ごたえが心地よい。付け合わせの漬物も程よい塩加減で、ご飯は炊きたて。味噌汁も手作りの優しい味わいが、心をじんわりと温めてくれます。

 さすが、有楽町の名店です。

 それにしても、このボリュームで1000円きっかりなんて!

 会計を済ませて女将さんに「ごちそうさまでした」と声をかけると、「お気をつけましてね」という温かな言葉が返ってきました。胃も心も大満足のひとときです。

 末永く続いてほしい、そんな名店です。

(ライター・亀井)

●SHOP INFO
とんかつ あけぼの

住:東京都千代田区有楽町2丁目10-1 東京交通会館B1
営:11:00~14:30、17:30~19:30
休:水曜夜、日曜、祝日