もちもち太麺とこってり味がごはんに合う!

入店すると、まずキャッシュレス券売機でメニューを選択。最初に「焼きそば」の種類を選び、次の画面で「ご飯の量」を選ぶ仕組みになっています。つまり、ライスの「要・不要」の選択権はなく、絶対に白飯と味噌汁が付いてくるのです。ご飯の量は、小盛り・中盛り・大盛りが選べ、どれも無料です。

ちなみに、私がこの店で興味を持ったのは、「焼きそばをおかずにごはんを食べる」という点だけではありません。この店の焼きそばが、「生麺の太麺」だということでした。というのも、私は焼きそばに関してはダンゼン太麺派。いつも家で焼きそばを作るときは、『肉のハナマサ』で焼きそば用の極太麺を買うほどです。
だから、この店の「生麺の太麺」も非常に楽しみでした。というわけで、その『頂上(TEPPEN)』の焼きそばが、こちらの写真です。

生麺を茹でてから、さらに鉄板で焼き上げるという『頂上(TEPPEN)』の焼きそば。口当たりがなめらかで、つるんとしています。そして噛むともっちり。その水分量が絶妙です。そしてややスパイシーでまろやかな濃厚なソースがよく絡み、これはまさに私にとってどストライクの焼きそばでした。

具材は豚肉、もやし、キャベツ。肉多め、野菜は適量。これらの具材1つ1つの炒め具合も過不足なく、特にキャベツはシャキッとした歯ごたえを残していて、キャベツ本来の甘みも味わえます。自分で作ると、野菜を多くしがちで、しかもその水分でややクタッとなりがちなのですが、この量でも炒め具合が素晴らしいので、野菜をちゃんと食べている感じがするんです。
そして、最後に、少し抵抗感があった「焼きそばをおかずにごはんを食べる」件についてですが……意外にもまったく違和感がありませんでした。

というのも、まずご飯が旨い! 良い米を使い、やや硬めの炊き具合も絶妙。その米が、濃厚ソースの焼きそばと合うんです。むしろごはんが合わさることによって、この焼きそばは初めて完成する、という感じすらします。
この食べ方にすっかりハマってしまい、最近は、自宅で焼きそばを作るときも、ご飯と一緒に食べるようになってしまいました。それに合わせて味わいも濃厚にしています。
まとめ

えー、炭水化物×炭水化物でしょ、ムリムリ! と思う人も多いかもしれませんが、実際に食べてみると、意外とすんなり受け入れられると思います。東京・新橋から、「炭水化物×炭水化物」の文化が関東に浸透していくと思うと、ちょっと楽しい気持ちにもなってきます。
(撮影・取材◎土原亜子)
●プロフィール
荒川 治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。