宅配スキルを活かしつつ、ネタ・技術も素晴らしい『柿家寿司』

東京を中心に宅配店舗を展開する『柿家寿司』は有名ピザチェーン『ピザーラ』と同じ経営母体です。宅配ピザで培ったノウハウを、宅配寿司にも存分に活かし、握りたての鮮度の高い寿司を提供することで、絶大な支持を得ています。今回は、10貫セットの「柿家のにぎやか(1人前10貫)」をオーダーしてみました。

到着した「柿家のにぎやか(1人前10貫)」は、スクエアなパッケージに入っておりスタイリッシュな印象です。また、箸だけでなくサービスチケットや醤油、醤油さしなどもあるのも好印象です。
ネタは、「まぐろ赤身柚子胡椒」「白身の炙り」「まぐろのユッケ」「まぐろ赤身」「とろサーモン」「サーモン」「びんとろ」「海老」「ねぎとろ」「いか」。定番ネタに加え、「柿家寿司」ならではの創作系にぎりが入っているのも嬉しいところです。

さっそくいただくと、どのネタも鮮度抜群。しゃりも絶妙で口の中で、ほろほろと優しくほぐれてくれる印象を抱きました。特に『柿家寿司』ならではの「技」を感じたのは、「白身の炙り」。つややかな白身魚の脂と炙りならではの香ばしさが感じられ、宅配間際に一貫一貫丁寧にお店で炙るというもの。香ばしさととろける脂のハーモニーがたまらない味わいで、「白身の炙り」だけを目当てにオーダーしたくなるほどでした。
後述する『銀の皿』よりもやや高値設定ではありますが、どんなシーンにも十分合う「柿家寿司」の矜持を感じるセットだと思いました。
普段使いでも気軽に利用可能!『銀のさら』

東日本を中心に全国に383店舗を誇る人気宅配寿司チェーン『銀のさら』。宅配チェーンでは日本一の規模のブランドです。同店が特にこだわるのは、ネタ個々の鮮度はもちろん、寿司の主軸であるシャリ。全国からシャリに適した米を探し出し、厳選したものを使いふっくらと炊き上げているそうです。さらに木曽川本流のほとりで醸造されるキリっとした味わいの米酢を加え、ネタの旨みを最大限に引き立てるようこだわり抜いているのだそうです。
そして、自分の好みに合わせてワサビの別添え、シャリの大きさ、桶の種類まで選ぶことができるよう設定しているのも魅力です。ここで筆者は「和(1人前10貫)」を「シャリ小さめ」でオーダーすることにしました。

『銀のさら』もサービスチケット、醤油、醤油さし、箸などが入っていましたが、『柿谷寿司』をリードするのが次回使えるチケットの金額。『柿家寿司』が1000円だったのに対し、『銀のさら』は、1500円分でした。この差は何気に大きいように思います。
「和(1人前10貫)」の中身は、「マグロ」「真イカ」「サーモン」「甘エビ」「エビ」「玉子」「煮あなご」「ツブ貝」「鮭イクラ」「ネギトロ」。満足できる鉄板ネタばかりのラインナップです。

いずれのネタも「これで税込1598円?」と疑いたくなるほど鮮度が良く、こだわりのシャリとの相性も抜群。特に印象深かったのは「マグロ」の鮮度の良さで、おそらくは冷凍と解凍技術が高いのだと思いました。また、鮮度だけでなく「煮あなご」にも技術力の高さを感じ、魚臭さが全くなく、ふっくらと炊かれていて絶品でした。
この味でこの価格なら、ハレの日などの特別な場面だけでなくとも、普段使いとしても十分利用できるように思いました。
『柿家寿司』『銀のさら』の同一ネタを食べ比べ!

ここまで『柿家寿司』と『銀のさら』の2千円以下のセットを食べ比べたわけですが、どうも価格面以外に大差がないように思い、最後に両セットに入っている「マグロ」「サーモン」「ネギトロ」の「同一ネタ」を食べ比べてみることにしました。
『柿家寿司』のネタは、しっかりとした厚みがあり食べ応えも十分。一方、『銀のさら』は鮮度の良さに加え、十分な脂が乗ったネタを採用しているように思いました。ここから言えることは“食べ応え”や炙りのような“独自技術”を求める場合は『柿家寿司』、コスパ・技術・鮮度を求める場合は『銀のさら』が良いように思いました。
●まとめ
両店とも、価格差以外の面では甲乙つけがたく、いずれも美味しかったことには違いがありませんでした。そして、日本人にとって特別な寿司なだけにどちらのチェーンも相当なこだわりと技術を投入しているようにも思いました。ここまで読んでくださったあなたはどちらの宅配寿司が気になりましたか? ぜひこの記事を参考にあなた好みの宅配寿司を見つけてくださいね。
(取材・文◎もっち、松田義人(deco))