ボリューム&旨さ満点!「出てこいやー天津飯」

お昼時で店内が混雑していたこともあり、約15分と少々時間を要して丼が運ばれてきました。デカくて、厚みがありますね。見るからにとろみのある餡から、旨みを携えていそうな醤油の香りが漂ってきます。

さっそく、レンゲでごそっとすくってひと口。まず最初に来たのは、優しい醤油餡の味わい。続いて玉子のプレーンな味がしっかり感じられる分厚くて柔らかな玉子焼き、そして肉ミンチの挽き肉から来る肉の旨みと、矢継ぎ早に美味しい味わいの波が押し寄せてきます。
餡は見た目ほど醤油感が強くなく、味付けに加えられているオイスターソースの旨みと相まって、イメージは「具材がでっかい玉子焼きの中華丼」に行き着きました。初めて食べる味わいなのに、違和感は全然なく、むしろ懐かしさを感じる美味しさです。

さらに食べ進めて味わいを深堀していきます。玉子焼きの下にいる肉ミンチは、豚挽き肉の他に玉ねぎとニラ、そして紅生姜も入っています。この紅生姜が侮れない。繊維感のある食感と酸味がアクセントになっていて、強い旨みのおかげでボヤけてきそうな味わいにキリッと喝を入れてくれます。玉ねぎが甘味と食感を演出し、豚挽き肉も噛み締めるごとに旨みが染み出すなど、己の存在をしっかりアピール。意外にもニラはそれほど主張しておらず、美味しさを下支えする裏方役に徹している感じです。
醤油餡は、美味しいし、玉子焼きも硬すぎず柔らかすぎない絶妙な火の通り加減。肉ミンチの味わいも含めて、全てが土台の白飯とパーフェクトにマッチしています。何より、結構食したはずなのに、まだ半分ほど残っているという、ボリューミーさも嬉しいポイント。各具材を単独で、またレンゲで一度にすくってと、アクセントを付けながら食べ進めて無事完食。ごちそうさまでした!
まとめ
お客さんに出すメニューというよりも「料理人が“賄い”で作る天津飯」を強く感じた一杯。尖ったとこ ろや変なクセが一切なく、また普通なら別添えにする紅生姜を具材に入れてしまうという大胆なアレンジ。それでいて誰が食べても「美味しい!」といいそうな万人受け必至の味わいは、今回がグランプリ3度目の受賞となった、富永氏のセンスがあってこそではないでしょうか。
「四の五の言わずに食べてこいやー」と、誰彼なしに勧めたくなってしまうほどの美味しさを備えた「出てこいやー天津飯」。提供は3月20日までと、終売までにたっぷりの余裕がありますので、最寄りの『大阪王将』でナイスなテイストとボリューム感をぜひ存分に堪能してみてくださいませ!
(撮影・文◎河西まさあき)