からあげの旨さはいかに? そしてうどんとの相性は?

さっそく、噂の竜田揚げからいただきます。小ぶりながらいい香りが漂い、存在感があります。片栗粉など複数の粉などをブレンドしているという衣は「シャリッ!」と噛み心地爽快。そしてすぐに肉の上品な旨みが口いっぱいに広がります。

噛むほどにじわじわと旨みがしみ出してくるようで「ウマい!」ではなく「おいしい」と言いたくなるような上品で爽やかな風味。控えめに言って、絶品です。懐石料理に出てきそうな雰囲気で、ガツガツと食べてはいけない気がしてきました。この風味を楽しみながらゆっくりじっくり味わいながら食べたい――そう思わせるタイプです。うどん屋さんなのにレベル高すぎじゃありませんか…?

料理担当の青木亮助さんによると「国産鶏のモモ肉をオリジナルの漬けダレにひと晩しっかり漬け込んでいます」とのこと。そのためか肉も柔らかさに弾力があり、歯に触れるたびにフワンフワンと跳ねるようです。
うどんのつゆに漬して二度美味しいからあげに!

次はうどんに行ってみましょう。とろみのあるつゆはさっぱりとしていながらもダシの深みを感じます。北海道・利尻産の昆布と鹿児島・枕崎産のかつお節でとったダシだそうで、これまた上品。ひと口含んだ瞬間に「これは絶対からあげに合うはず!」と確信しました。

コシのあるうどんは、ツルツルスベスベの唇触り。ちょっとすすっただけで、あっという間に口から舌の上を通過していく滑らかさに驚きました。吸引力をほとんど使わなくてもすすれるのがスゴい!

さて、ここで竜田揚げをうどんのつゆに浸していきます。お行儀が悪いように思われる人もいるでしょうが、これは筆者だけでなく世の多くのカラアゲニストたちが実践している“ワザ”のひとつ。騙されたと思って一度やってみてください。
衣がつゆを含んで、シャリッだったのがサクッとした食感に変わりました。肉にもつゆが染みて、これまた最高。とろみのあるつゆなので、ダシの旨みがよくうどんにからみ、美味しさ倍々です。時折、つぶつぶの明太子のピリッとした刺激が加わるのもまたイイんです。
検証結果:やはりからあげ(竜田揚げ)×麺類は好相性!

実食の結果、つるとんたんの竜田揚げは噂通りの旨さであり(当然、うどんも間違いなく美味しいですが)。そしてうどん×竜田揚げの相性が抜群であることがよくわかりました。特にうどんのつゆとからあげがめちゃくちゃ合う! 軽く浸すだけで和風味の旨さが加速します。
というわけで、最近はラーメンやそば、うどんと、麺類×からあげの相性の良さにうなるお店が増えてきました。次はパスタ×からあげの組み合わせも試してみたいなぁ、と思っています。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。