
東京・御茶ノ水にある町中華『新御茶ノ水 萬龍』をご存知でしょうか。ここは“安い・ウマい・ボリューミー”の3拍子が完璧にそろった大人気店。なかでも、ガッツリ食べて空腹を満たしたいと願う界隈の学生やビジネスマンや学生などに昼夜問わず人気なのが「チャーシューエッグ定食」(970円)です。

オーダーして待つことしばし。ご飯、スープ、お新香とともに出てくるチャーシューエッグ。分厚く大きめのチャーシューが2枚も盛り付けられています。ステーキと見紛うばかりのサイズ感で、思わず箸ではなくナイフとフォークを探してしまいそうです。そのチャーシューを覆うように目玉焼きがのせられており、彩りも最高。見ただけで食欲のスイッチがONになります。

2枚のチャーシューのうち、1枚は豚バラ肉、もう1枚は豚肩ロース肉を使用。弱火でじっくり3時間かけて煮込み、秘伝のタレに丸1日漬け込んで、中華鍋で焼き上げるという、まさに手間ひまかけた逸品です。
まずはバラ肉のチャーシューから実食。箸でつまみ上げただけで崩れてしまいそうなほどのやわらかさ。口に入れれば、トロリとした歯ざわりで歯を立てなくても舌の上で吸い込まれるようにとろけていきます。

一方の肩ロース肉のチャーシューは、バラ肉よりは歯ごたえがありますが、そのぶん、歯がじんわりと沈み込んでいくごとにコク深い味わいを感じられます。
脂とうま味に、継ぎ足し続けて作ったという甘辛いタレが見事に調和して、あっという間にのどの奥に消えていきます。そのタレは濃いめの味付け。言われるまでもなくみなさん実行すると思いますが、いずれのチャーシューも白飯にのせて食べるのがオススメ。
目玉焼きの黄身は半熟なので、チャーシューにからめて食べると味がマイルドになり、かすかな甘みも加わります。ご飯一杯では足りないのでは、と嬉しい不安も襲ってきます。

チャーシューはラーメンの具材など“脇役”のイメージが強いですが、この定食では見事な主役ぶり。抜群の美味しさと存在感です。ご飯だけでなく、お酒のアテにもいけそうです。ちなみにこの『新御茶ノ水 萬龍』はチャーシュー作りにこだわっており「焼豚チャーハン」(700円)もオススメですよ。
(取材・文◎松本壮平)