もちもちうどんとつゆの美味しさに心癒される。「肉うどん(特盛)」2403g

店内の看板やメニューなどを見ながらのんびり待つこと10分ぐらい? 目の前にやってきたのは二回りはでかいどんぶりにうどんがぎっしり入っている肉うどん! 早速計測です。直径23cmのどんぶりに高さ約14cm、重さは2403g(器の重さを除く)。ちなみに器と合わせた重さは4030g。両手で持つとずっしり感がすごい。これ全部、胃袋に収まるのか!?
「うちは昔ながらのやり方で手打ち、手切りにこだわっています。出汁をとるのも鰹節、椎茸、昆布など、これも昔ながらのやり方。創業は昭和63(1988)年で、私で二代目になります」と話すのは店主の幸山さん。2022年だから34年、ということですね。

そして、多摩地区や埼玉取材の時に必ず聞く質問。もしかしてご当地の武蔵野うどんですか?「そうです。うどんの粉は埼玉産を含む国産の地粉で作っているんですよ」。おお~。粉も武蔵野うどんエリア育ちとは!「肉うどんは、うどんとお肉、ちょっとネギだけ。シンプルだけれど人気のあるメニューなんです」。
武蔵野うどんといえば最大の特徴は、ワシワシと表現される食感。太くてかみごたえが凄すぎて1本で口の中いっぱい、あごを酷使する印象ですが、「どんぶりのうどん(かけうどん)なので、一般的な武蔵野うどんより食べやすいと思いますよ」と店主。確かに!

まずは一口! おつゆはキリッとしているけれど優しい甘味も感じる、どこかホッとする美味しさ。腹ペコな体に染み渡っていきます。そしてうどんは武蔵野うどんなので太くてもちもち。デカ盛りだけど癒される味わいです。うどんの良さがダイレクトに伝わってくる。職場や家の近所にあったら、おそらく週一で食べたくなる味です。
食べすすめて中盤になると、うどんがあったかいおつゆ効果でほんの少し柔らかくなってきた気が。とはいえ武蔵野うどん。ビロンビロンではなく、冷凍麺とかのもちもちぐらい? まだコシもしっかり感じられます。ワシワシの武蔵野うどんだからこそ、時間が経ってもコシがあるのが素晴らしい!

特盛を注文する人は1日に1~2人、ほとんどが常連さんとのこと。特盛を食べる人を毎日見ている店主だからわかる、完食するための秘訣を聞くと、ちょっと考えて「スピードは大事ですね。特にどんぶりもの(かけうどん)は。つけ麺は意外といけるようですが。本当に食べられるのかなっていつも作りながら思っています」。つけ麺(ざるうどん)は、もし食べきれなかった場合残りの麺を持ち帰ることが可能とのこと。特盛で思いっきり食べたいけれど、2kg超えは食べ切れるか心配、という人は、つけ麺での注文が◎。いや、そもそも2kg食べられる人が稀ですが。
終盤になっても、もちもち感をキープしていたうどんは、最後までだらっとせず美味しく完食。豚肉の油は多少汁にコクをプラスしてきたけれど、チャーシューや焼肉などと違い、あっさりした油でしつこさゼロ。うどんを楽しんでいるうちに、いつの間にか食べ切った、という感じでした。ただ、食後の満腹感はハンパない。粉物だからね。後から膨れてくることも考えて、大盛、特盛などのボリュームをセレクトするのをおすすめします。

初夏を迎えるこれからは、冷たいメニューや激辛汁などが期間限定で登場予定。「ひき肉とトマトの激辛汁は、うどんにもそばにも合って好評だったので、今年も出す予定です」。と店主。
また、コロナもひと段落した今だからこそ、ちょい飲みや宴会などで食べにきてほしいとのこと。10人以上なら「勝手に飲み放題」コースがあり、2階席貸切、お酒は2階にあるもの全て自分で注いで飲み放題、料理10品でシメのうどんは食べ放題といった内容。それは自由度が高くて魅力的。
ちなみに、テイクアウトで「生うどん」(2~3人前)、つけ汁付き850円で販売中です。茹でたうどんだと1パック約600gで450円。おつまみメニューも可能な限りテイクアウト可能なので相談してください、とのことです。うどんはもちろん、お蕎麦やおつまみメニューも充実している『国分寺 甚五郎』。次回は夜、焼酎そば湯割り300円に合う一品料理をいくつかつまんでから、シメでうどんを食べに、また来たいと思います!
(取材・文◎いしざわりかこ)