日本の朝は納豆で正解! テンションの上がる絶品まぜそば

注文してすぐ。出てきたのは、ラーメンの麺の上に納豆、中央に卵、ネギと海苔が添えられた一杯。ミニスープもついてきます。見た感じ「まんまじゃん!」って思うかもしれないけれど、そこはラーメン激戦エリア北区のラーメン店。見た印象そのまんま、な訳がない!

まずは全体をしっかり混ぜる! 一般的なまぜそばより、納豆の粘りがあるからか、ぐわっ、ぐわっと混ぜている感じ。麺の下に隠れていたタレや油もしっかり混ぜ込んでいると、納豆の粘りも強くなってきた感じがします。
納得いくまで混ぜて、若干泡が立ったところで一口。うわっ、なにこれっ! すんごい旨い! 納豆ご飯ぐらいの感覚でうっかりしていたら、すごい旨みが口の中いっぱいに広がってきます。納豆と卵が主役に見えて、実は影の主役がいる!

「麺はストレートの細麺で、心の味食品の特注麺ですね。茹でる前で1人前200gになります。タレは地鶏の鶏油に薄口醤油で作るカエシ。地鶏の鶏油は結構あっさりしていてもたれないんですよ」と店主の内藤さん。そういえば、作っているのを見ている時、白い塊を多めに器に入れていたような。あれが地鶏の鶏油だったんだ~。
地鶏の鶏油+かえしの旨みを、ブワッと広げてくれる納豆と卵。納豆というラーメン界の異端者を奥深い旨みで包み込む鶏油。家で再現できそうで再現できない、どハマりする美味しさです。
ちなみに大盛りの場合+150円。麺が倍の400gになります。「でもね、麺を倍にすると、納豆と卵のバランスが変わってくるからね」と内藤さん。となると、納豆と卵を追加注文か。いやいや、それなら2杯目を注文するのが正解かも。

口の中がねっとり、とろとろになったところでスープを一口。魚介出汁で口の中をさっぱりさせてくれます。見た目、チャーハンの横のスープみたいだけれど、魚介であっさり。口の中がリセットされます。
「煮干しとカツオを効かせたスープですね。ほんのちょっとだけ鶏油を入れています。このメニューだけのスープで、納豆まぜそばに合わせた味にしているんですよ」とのこと。朝から満たされた気持ちになってきます。

そもそも、朝ラーを始めたきっかけは?「シンプルに思いつき、ですね。夜お客さんが来られない分、朝やってみようと。個人的にも生活リズムがいいし」とニッコリ。
今回の朝ラーの2種類は、自分が客だったら、こんなのを朝食べたい、というイメージで思いついたもの。朝なら納豆だろう、まぜそばならいける、と頭の中で組み立てたらこうなった、というものだそうです。朝ラーを始める前からも、突発的に限定ラーメンを作って出しているので、その蓄積が、今回の味につながっているようです。
最近はプチリニューアルして、既存のメニューは味をブラッシュアップ、そして新メニューで「貝出汁ラーメン」を出すようになったという店主の内藤さん。土日の朝は満席になることもあるけれど、平日ならまだ空いているのでオススメとのこと。
ちなみに朝のお客さんは、チャーシューサイコロ切り+100円など、トッピングを選ぶ人も結構多いそう。1杯650円だから、ちょっと贅沢しちゃおう、って感じでしょうか。鶏油がきいたタレ効果で止まらない旨さだった「地鶏油の月見納豆まぜそば」。想像以上に美味しくてあっという間に完食でした。また食べに来ること、決定です!
(取材・文◎いしざわりかこ)