絶品すぎるからあげを実食!

いただいたのは「中津からあげ」。ルックスはゴルフボールのような美しい球形ですが、これは一つずつ丁寧に手で丸い形に整えているそう。鶏皮もしっかりと巻き付けてあります。この形ならば揚げ油に入れても均等にムラなく熱が入っていきそうです。
取材時はマスク着用でからあげの登場を待っていた筆者でしたが、マスクをしていてもニンニクやショウガのあまりにもいい香りにKOされそうになりました。マスクを外して、いざ実食です。
サックリと軽やかな衣は片栗粉のみ。そして肉がマシュマロのようにフワッフワ!肉のやわらかさがハンパない!歯に優しいなんてもんじゃありません。歯がいらないんじゃないかと思ってしまうほどで、ヤケド注意なまでに弾け出てくる肉汁と一緒に舌の上でとろけていくよう。たしかに聖地・中津で食べるからあげに限りなく近い!東京には、中津にルーツを持つからあげ専門店が数店ありますが、そこ以外でこんなからあげを食べた記憶がありません。

肉の旨みも強烈です。口の中にパッと広がって、舌に張り付いて離れません。普通ならばお酒を飲んで洗い流し、次のからあげに箸を伸ばすところですが、この味わいはそれをするのがもったいないと思えるほど。この美味しさの余韻をしばらく楽しみたくなります。

オーナーの光永純史さんによれば、味の探究には余念がなく、このからあげも一層美味しくなるよう、日夜研究を続けているそうです。今でも十分すぎるほどに美味しいのに、これ以上美味しくなるとは何とも楽しみ。また必ず来るぞと胸に誓ってお店をあとにした筆者でした。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。