聖地のからあげを東京・戸越銀座で味わえる!|第12回【カラアゲニストの「から活」日記】『中津からあげ 溪』骨なしモモ

聖地のからあげを東京・戸越銀座で味わえる!|第12回【カラアゲニストの「から活」日記】『中津からあげ 溪』骨なしモモ
食楽web

朝活、婚活、ソー活、妊活、終活……前代未聞の活動ブームの陰で、「から活(からあげ食べ歩き)」に余念がない、からあげのプロ=カラアゲニストたちがいることをご存知だろうか。これは、からあげの聖地・大分県中津市出身のライター松本壮平氏がお送りする、渾身のから活レポートである。

商店街の名物からあげは、通行人を足止めする!

 日本一長い商店街とも言われる戸越銀座商店街の『中津からあげ 溪』は“からあげの聖地・中津”の名を冠したお店。マスターも中津市耶馬渓のご出身で、店名にもそれが表現されています。聖地のからあげを都内で味わえる、数少ないお店と言えるでしょう。

 伺ったのは平日の午後。数メートル先にもすでにからあげのいい香りが漂っており、つい足が早まってしまいます。テイクアウトがメインのお店ですが、食べるスペースもあり。100gで260円の〈骨なしモモ〉を300gと生ビールを購入し、お店の前のスタンディングテーブルでいただきました。

 しょうゆの下味がしっかりとついており、あとからジワジワ効いてくる生姜の風味も抜群。やや厚めの衣は、最初はカリッとした“抵抗”を一瞬見せますが、すぐにフワッと歯を包み込んでくれる“包容力”ある食感を出してきます。噛み切って食べるというより、歯と唇でそっとはがして食べるという印象。

「これ、付けてみてください」

 マスターが私に差し出したのは柚胡椒。柚胡椒は大分の特産のひとつ。からあげに少しのせて食べてみると、ピリッとした辛味に、柚の爽やかな風味が加わり、聖地・中津の濃い味付けでついビールもすすみます。

 この日は平日ながら、カップルや外国人観光客などで商店街は賑わっていました。私がお店の前でからあげを食べているほんの数分の間にも、何組かのカップルが足を止め、お店を眺めながら
「おいしそう…」
と言って店内に入って行きます。外国人観光客とおぼしき年配のご夫婦も二言三言交わして、これまた吸い込まれるように店内へ。

 からあげの香りに誘われたのか?私が美味しそうに食べていたからなのか?いずれにしても通行人を足止めしてしまうからあげ、この商店街の名物と化しているかもしれません。

 ちょっとした観光地となっている戸越銀座商店街。からあげを食べながら散策するのがひとつのスタイルになるでしょう。

●SHOP INFO

店名:中津からあげ 溪

住:東京都品川区平塚2-18-5
TEL:03-3785-1177
営:11:30~21:00
休:水曜

●著者プロフィール

松本壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。