オムライスは果たして初恋の味なのか?

薄焼き卵にケチャップソースという、至って普通に見えるオムライスです。まずはケチャップソースのかかっていない部分をレンゲでひと口。フワッとした卵の下はケチャップライスかと思いきや、ちょっと違いました。どちらかというとチャーハンのような味です。
これは大阪王将のチャーハンにケチャップソースを加えて味付けしているとのこと。そのせいか普通のチャーハンよりも味に深みがあり、薄焼き卵と一緒に食べれば濃厚なチャーハンになります。ケチャップソースは酸味をおさえているようで、かすかな甘酸っぱさに仕上がっています。しかもチャーシューのタレをブレンドしているとのことで、コクのある味になっており、ライスとの相性もなかなか。これは思わずガツガツとレンゲが進みます。

そしてなんと言っても、ライスの中から出てくるチャーシュー。角切りのようなチャーシューがゴロッと出てきます。余分な脂がなく豚肉感ある大きめのチャーシュー。これが“弾む焼豚”ですね。初恋の感覚は忘れてしまいましたが、きっと弾むような気持ちもあったかもしれません。
この期間限定のオムライス、昔の中華料理店で提供されていたオムライスをイメージしているそうで、だから“初恋”なのですね。50代、60代の男性をターゲットにしているのだとか。若いころに近所の中華料理店でお腹を満たした、あの味といったところでしょうか。食べると、確かに懐かしい味わいに体が満たされていくようです。初恋の記憶ともリンクしそうですね。

しかし驚いたのは卵の下のライス。チャーシューダレをブレンドしたケチャップソースで味付けしたチャーハンとは意外でした。しかも衝撃的なほどにウマい! 筆者の中のオムライス観が変わってしまうほどの逸品でした。提供期間は11月8日まで。テイクアウトもできますよ。
(取材・文◎松本壮平)