
重層的な味わいに仕上がった金賞受賞のからあげ
昨今のからあげブームで、飲食業界は業種や業態を問わず力を入れています。からあげの“底上げ”になっており、カラアゲニストである筆者も嬉しい限りです。今回お邪魔したのは、おなじみ居酒屋チェーン『金の蔵』。こちらでは第10回からあげグランプリ・東日本味バラエティ部門で金賞を受賞した『金の蔵』手仕込み唐揚げを使った「鶏ももカレーチーズ焼き」(499円)を味わうことができます。からあげ好きの間では、“焼きからあげ”と呼ぶ人もいるようです。
鶏ももカレーチーズ焼きとは、揚げたモモ肉の塩からあげを焼いて、ちょっとスパイシーなカレーとチーズをからめて、温泉たまごをのせた一品。運ばれてきただけでスパイシーな香りが漂い、食欲スイッチがONに。軽くパセリがふりかけられた温泉たまごを崩し、からあげにからめて箸で持ち上げると、とろりとしたチーズがどこまでも追いかけていくように伸びていきます。

「からあげを逃がさないぞ!」と言わんばかりに。これをうまくからあげに“巻き付け”てパクリ。スパイシーなカレーにチーズのミルキーな風味、そこに温泉たまごの甘みが入り混じって、なんとも深い味わい!揚げただけのからあげとは違い、焼いたときにできる焦げ目の香ばしさも加勢して、重層的な味に仕上がっています。う~む、これは味バラエティ部門で金賞を受賞するのもわかります。
下処理も味付けも店舗で行うこだわりよう

また、こちらの「手仕込み金賞唐揚げ 醤油・旨塩」(各399円)もおすすめ。醤油はあっさりめの味付けに感じますが、肉のうま味は十分。「冷めても美味しいからあげ」にするため、試行錯誤の末にできたからあげだそうです。からあげは冷めても美味しいのが他の揚げ物とは一線を画すポイント。本質を捉えたからあげと言えそうです。
旨塩は筆者好みの味。塩味が肉汁に溶け込み、さっぱりながらもコクのある味が飲み込む寸前に後追いで口いっぱいに広がります。思わずもう1個!と箸がのびます。どちらも肉がプルンとしていて、舌ざわりも抜群です。

金の蔵では、鶏肉の下処理も味付けもすべて店舗で行っているとのこと。すべて工場で済ませて、店舗では揚げるだけ、というお店も多い中、このこだわりは素晴らしい。衣はカリッとした歯ざわりを出すため、数種類の粉を吟味したオリジナルのブレンド粉を使用。醤油と旨塩、それぞれの味に合うよう、衣に使用する粉は異なるそうです。
一緒にいただいたのは「真空生搾りレモンサワー」(399円)。真空ミキサーで攪拌しているそうで、レモン本来の栄養や美味しさを味わえます。苦味も抑えられており、これがからあげによく合う! すいすい飲めて、からあげもホイホイ食べられます。

最近は“進化系からあげ”と呼ばれるものが増えており、からあげの新境地が次々と開拓されています。こちらの鶏ももカレーチーズ焼きもそのひとつ。普通のからあげで満足できなくなった人にはおすすめですよ。
●SHOP INFO

店名:金の蔵・新宿西口大ガード店
住:東京都新宿区西新宿7-1-7新宿ダイカンプラザA館 2F
TEL:03-5348-3581
営:月~金17:00~翌3:00
土16:00~翌3:00
日・祝16:00~翌0:00
休:無休
※価格はすべて税込みです
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。