45年の歴史に幕を閉じた、先代の味と想いを受け継ぐ

『はまの屋パーラー有楽町店』は、付近のオフィス街で働く人々や、新幹線やバスを利用する人々が多く訪れる老舗の喫茶店。
その歴史は深く、1966年まで遡ります。当時東京では、卵サンドといえば崩したゆで卵をマヨネーズで和えたものが一般的で、「薄いパンで分厚いオムレツを挟んだ卵サンドは珍しかった」そう。牛乳と少しの塩を加えるほかには特別な味付けをせず、卵本来の味を活かしたシンプルな卵サンドは、45年に渡り多くの人々を魅了しましたが、2011年に一旦、その歴史に幕を閉じました。
しかし「あのサンドイッチの味を残したい」、「歴史ある店をなくすのはもったいない」という声も多く、翌年新しいオーナーとスタッフを迎え、『はまの屋パーラー』は新しいスタートを切ったのです。

再オープンにあたり、「昔の味から変わってしまっては意味がない」と考えた現オーナーは、先代が考案したレシピのみならず、卵やパンの仕入れ先までそのまま引き継ぎました。ふっくらと焼きあがった分厚いオムレツも、シンプルな味付けも、長く愛された先代の味のまま変わっていません。
再オープンからしばらくして、「朝ごはん専用メニューが欲しい」という常連客の声に応え、モーニングサービスをスタート。ハーフサイズのサンドイッチと紅茶もしくはコーヒーのセットで、サンドイッチは卵サンドだけでなく、メニューの中からどれでも好きなものを注文できます。また、お好みでパンをトーストすることもできます。

こだわりはサンドイッチだけではありません。苦味が少なく、サンドイッチとの相性も抜群なコーヒーは、はまの屋のオリジナルブレンド。豆には、ハワイの自社農園から採れるハワイコナも使用しているのだそう。
一杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れられたコーヒーは香りも豊かで、この一杯を求めて足を運ぶ人も少なくありません。モーニング・ランチタイムを除いて、店内は全面喫煙可能。コーヒーを飲みながらの一服を楽しむのもおすすめです。

モーニングサービスは、平日の9時~11時のみ利用できます。たまには優雅に、おいしいサンドイッチとコーヒーを飲みながら、ゆったりとした朝食タイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。なんでもない1日が、少しだけ特別なものに変わるかもしれません。
(取材・文◎藤間紗花)
●SHOP INFO

店名:はまの屋パーラー 有楽町店
TEL:03-3212-7447
営:9:00~18:00、日曜は~17:00
休:祝祭日