まずは正真正銘のユッケから!

最初に「正真正銘のユッケ」(1780円)を必ずオーダーしましょう。
ユッケといえば、2011年10月から『生食用食肉(牛肉)の規格基準』を満たした店以外では食べられなくなり、味わえる機会が極端に減りました。そのユッケ、『稲田』では、ちゃんと食べられるんです。
こちらの店では、「認定生食用食肉取扱者等設置施設」の認定を受けており、通常の調理場とは別に“ユッケのためだけ”に徹底管理した調理場を設けているんです。専任の調理人がそこに入り、A5ランクの黒毛和牛の生のモモ肉を叩いて、青森県産の濃厚なブランド卵を載せた「正真正銘のユッケ」を作ってくれます。
ひんやり、とろとろ、濃厚なうま味のユッケ。これを食べた人は感激と美味しさの衝撃に、スタートからハイテンションになるのです。

厚切りのタン元

続いて注文したいのは、「厚切り極上タン」(2800円)。1cmはあろうかという厚切りの牛タンで、美しい肉色にため息が出ます。しかし、ここまで分厚いと、どうやって焼くのかが難しいところ。でも大丈夫。ちゃんとお店のスタッフが焼いてくれます。
「厚切りタンは、美味しく焼くのが非常に難しいんです。ポイントは、サクッとした食感を出すように焼くことなのですが、ロースターは場所によって温度差があるので、適度に移動をさせて塩梅を見て仕上げていきます」(スタッフさん)
噛むと、外側はサクッと、中はふわっとした感触で、アゴが喜ぶ最高の食感です。

きめ細かいサシの入った
松坂牛のザブトン

厚切りタンの後に、注文したいのが、「ザブトン」です。登場した肉のサシ色を見ただけでうっとりしてしまいそうです。
『稲田』では、最高級A5ランクの黒毛和牛を扱っていますが、部位ごとに産地、ブランドが異なります。その理由は、『ヤザワミート』の精肉卸としての卓越した目利きを生かし、その時々で、もっとも美味しい肉を仕入れているからです。
この日の「ザブトン」は、三重県産の松坂牛(4400円)。口の中でとろける脂の甘み。1枚食べただけで「もう十分に幸せ!」。赤ワインと相性が最高なので、ぜひソムリエに選んでもらいましょう。


稲田のスペシャリテは、
「極上牛のミルフィーユ焼き」

そして、焼き肉の最大の山場ヘ。『稲田』で絶対にハズしてはいけない「極上牛のミルフィーユ焼き」です。なぜミルフィーユという名前なのかというと、リブロースの最も霜降り部分である「リブ芯」2枚の間に、外モモの赤身「ナカニク」を挟んだ三枚仕立てだからです。どちらも希少部位。こんな最高の組み合わせを発想できるのも、最高肉だけを扱う『稲田』ならではです。
こちらも繊細な焼き方が要求されるので、お店のスタッフが焼いてくれます。

焼き上がったら、溶き卵につけてすき焼き風にいただきます。とろける脂、肉の旨み、まろやかな卵の三重奏。もはや言葉もありません。

新鮮なホルモンもぜひ味わっておきたい

さて、このあたりで、ホルモン好きの人には「シマチョウ」(1100円)はいかがでしょうか。実は『稲田』は、2008年の創業当時から、「ホルモン焼き」で人気のお店でした。2014年から現在のような焼肉店になりましたが、もちろん精肉卸直営店だけに、今も変わらず新鮮なホルモンがいただけます。
プリプリの食感で、脂も実に上品なので、焼き具合は、お好みで。

〆は皆がどよめく
和牛挽肉のカレーライス

そしていよいよ最後。『稲田』の〆料理は、うどん、ラーメン、冷麺など、焼肉屋とは思えない逸品ばかりなのですが、中でも「和牛挽肉のカレーライス」をみんなでシェアしてみてください。
もちろん、ただの“和牛”のカレーライスではありません。日本全国の、いま最も美味しい黒毛和牛の各部位の切り落とし部分をミンチにした“旨みの塊”のようなキーマカレーなのです。
というわけで、メニュー1つ1つが逸品ばかり。料理に集中しすぎて、仕事の話ができなかったよ……なんてことにもなりそうですが、とにもかくにも、お得意様に大絶賛されること間違いなし。
もちろん、接待だけでなく、デートや記念日など、特別な人と訪れるにも最高。ぜひ、予約をしてみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:焼肉 稲田
住:東京都品川区上大崎2-13-45 トラストリンク第3ビル2F
TEL:03-5447-2914
営:17:00~24:00(23:00LO)、日・祝16:00〜23:00(22:30LO)
休:無休