【香港グルメ】香港史上No.1ヒット映画に登場した九龍城の潮州料理レストラン『楽口福酒家』に行ってきた

【香港グルメ】香港史上No.1ヒット映画に登場した九龍城の潮州料理レストラン『楽口福酒家』に行ってきた
食楽web

 昨年(2024年)に製作され、香港映画史上歴代No.1ヒットを記録した「トワイライト・ウォリアーズ 決戦 九龍城砦」。今年、日本でも上映されて話題を呼んでいます。

「トワイライト・ウォリアーズ 決戦 九龍城砦」のポスター[食楽web]
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦 九龍城砦」のポスター[食楽web]

 この映画、とにかく圧巻なのが、今はなき伝説のスラム街「九龍(クーロン)城砦」を精密に再現しているところです。

 九龍城砦といえば、1960年〜70年代にかけて、香港の九龍城区に無計画にマンションを密集・乱立させた巨大スラム街。城砦の街路は迷路のように薄暗い暗闇で、香港の法律が適用されず、警察官も立ち入ることができない無法地帯。売春や麻薬、博打などがはびこり、“東洋の魔窟”、“犯罪の巣窟”、“一度迷い込んだら二度と出て来れない場所”などと言われて恐れられていました。

 1994年に完全に取り壊されてしまってもう見ることはできませんが、この映画では、その城砦と、その中での暮らしぶりがものすごく細部に至るまで再現されており、ここで巻き起こる黒社会の抗争を描いているのが特徴です。

 話が長くなりましたが、本題は、この映画にチラッと登場する潮州料理の名店『楽口福酒家』です。創業は1954年。九龍城エリアで長年にわたり香港人に愛されてきた老舗レストランですが、この映画の影響もあって、改めてその美味しさに注目が集まっています。

九龍城区にある潮州料理の名店『楽口福酒家』
九龍城区にある潮州料理の名店『楽口福酒家』

 潮州料理とは、中国広東省東部の潮州地区(香港から鉄道で2時間ほど)で発展した料理ジャンル。新鮮な魚介や乾物などを魚醤や沙茶醤、塩などで調理。繊細でさっぱりしていながらも、非常に奥深い味わいが特徴です。

『楽口福酒家』の大きなネオンサインは、この地区でもっとも古く美しいと名物になっている
『楽口福酒家』の大きなネオンサインは、この地区でもっとも古く美しいと名物になっている

 九龍城区では、1940年前後に潮州出身の人々が多く移り住んだ歴史があります。この『楽口福酒家』も潮州人の手によって創業され、現在はその孫にあたる3代目が引き継いでいます。