うまいと評判の「エスカロップ」と「カニコロ」を定食でいただく

10分ほどで、料理が到着。まだ料理が届いていないグループ客のテーブルが賑やかで、他に料理が運ばれてくる度に「うまそう」「楽しみだ」と声があがり、味への期待が高まります。ひたひたにソースが染みたトンカツ「エスカロップ」に重ねるように配置された「カニコロ」。極上の眺めです。食欲がそそられる揚げ物とソースの茶色のコントラストが秀逸。付け合わせには、マカロニサラダやキャベツの千切りが盛られています。
お皿に盛られたごはんに洋食屋らしさを感じ、キャベツのみそ汁という和が入り混じるところには下町らしさを感じます。

「エスカロップ」は、北海道根室市のご当地料理。フランス語では薄切り肉のことを指しますが、根室ではトンカツにデミグラスソースをかけたものをいいます。バターライスやケチャップライスの上にトンカツをのせることもあるそう。

「エスカロップ」は、ナイフがすっと入るほどやわらかで、すぐカットできます。赤味がかったデミグラスソースがトンカツの衣に余す所なく染みてしっとり。脂が適度にのった豚肉はソースの味を堪能できる絶妙な厚さです。ソースはコクがありつつもあっさりと食べやすい。一瞬で胃の中に消えていきました。
![絶品「カニコロ」の断面 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/12/5544867a2a854cc82686ff4447815e41.jpg)
「カニコロ」(カニクリームコロッケ)はサクサクの衣に、とろとろのカニクリームが包まれています。橙色のクリームはカニのうまみがこれでもかとたっぷり詰まって濃厚。「エスカロップ」と同じソースでいただきます。
お皿に広がった大量のソースは余るかと思いきや、付け合わせのレタスやキャベツの千切り、マカロニに付けて食べていると、あっという間になくなっていく不思議。ソースを最後の1滴まで残したくない、お皿を舐め回したい……そう思ったのは私だけではないはずです。

食べ終わって帰ろうとすると、メニューには書かれてなかったコーヒーがおまけでやってきました。食後のコーヒーのほろ苦さでお腹を落ち着けられてありがたい。

次は何番を食べようか、アルコールやおつまみメニューも豊富だから飲みに訪れるのも楽しいはず。スカイツリーを横目に散歩して帰れば、新しさと懐かしさが入り混じる下町界隈の良さを感じることができるでしょう。
(撮影・文◎乃々)
●SHOP INFO
店名:洋食あきら
住:墨田区向島4-5-7
営:11:30〜14:00、17:00〜20:00
休:火曜