「元祖しゃばしゃばカレー」の魅力とは?

『モンスナック』のカレーはトッピングによって種類がいくつかありますが、ベースのカレールーは、前述したようにスープようにサラサラしています。昭和39年の創業当時、こうしたスープカレーは珍しく、また場所柄、著名人・文化人も多く紀伊國屋に通っていたこともあって、この“しゃばしゃばカレー”は静かに息長く愛され続けてきました。
そして復活した今もこの“しゃばしゃばスタイル”は健在。あっさりしたスープ状のカレーで、辛さも控えめなので、老若男女が食べやすいのが特徴です。そして、ルーがあっさりしている分、モンスナックでは、ガッツリした揚げ物トッピングが定番人気です。

中でも一番人気は「カツカレー」(1000円)です。しゃばしゃばしたカレールーがお皿いっぱいに注がれており、そこにライスと揚げたてのロースカツが1枚ドーン。しかも、大きな豚のブロック肉までゴロゴロと入っています。見てください、圧巻でしょ!

揚げたてのロースカツは、薄い衣で、かじるとサクッと音を立て、お肉はしっとり柔らか。そして、なぜか揚げ物なのにさっぱりいただけます。その理由は、このカレールーにあります。スパイスの香りとチャツネのフルーツ系の甘みと酸味が立っていて、ものすごくスッキリ! まるで揚げ物に合うウスターソースのように、スパイシーで爽やかさをプラスしてくれるのが、このしゃばしゃばカレールーなんです。
![ロースカツとしゃばしゃばカレーの相性は最高![食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/10/20241016-monsnack07.jpg)
さらにトッピングの豚ブロック肉の存在感もカツに負けていません。口に入れると、ほどけるような柔らかさで、しゃばしゃばカレーの味がしっかり染み込んだ角煮のよう。こんなにでっかいお肉がカツカレーに入っているなんてちょっと信じられないくらい。かなり得した気分になります。

もちろん、ライスも手抜かりなし! しゃばしゃばカレーに合わせて炊かれていて、粒立ちよく硬めに仕上げてられているので、ルーをぐんぐん吸い込んで、非常に美味。
というわけで、『モンスナック』のカレー、最高です。本や演劇を見るついでに、と言いたいところですが、むしろ、このカレーを食べに行くことを最優先にして、紀伊國屋に行ってみてください。美味しいですよ!
(撮影・文◎土原亜子)