放香堂珈琲のコーヒーは神戸ゆかりの麟太郎

そんな歴史のある『放香堂珈琲』でコーヒーを飲んでみようとメニューを見てみると、コーヒーの名前は「麟太郎(りんたろう)」。神戸港の前身ともいえる神戸海軍操練所を開設した勝海舟の幼名、神戸の歴史を語る上でピッタリの名前となっています。
ちなみにこちらの「麟太郎」。基本価格の500円に110円プラスすると、ムードある銅製のポットで提供してもらえます。

麟太郎はインド産のアラビカ種の深煎りで酸味は少なめ。スッキリとマイルドで、ゆったり心落ち着く味わい。歴史を感じるのにピッタリの一杯という感じです。
歴史的なお店ながら、想像していたコーヒーより遥かにリーズナブルなのにもビックリ。ポットにおよそ2杯分入ったコーヒーが飲めるので、近くに住んでいたら普段使いしたくなります。
店内を見渡してみると、旅行者というより近隣の人の利用も多いように感じられ、歴史のある店であることと同時に地域の人に愛されているのが実感できます。
石臼でコーヒーを挽く放香堂珈琲の日常

こちらの喫茶店は日本のコーヒーの歴史とイコールといっても過言ではないので、コーヒーを輸入し始めた当初はコーヒーミルなども当然ありませんでした。そこで目を付けたのが、お茶の葉を抹茶に挽く際などに使われる、石臼。
この石臼は今でも店頭に置いてあり、現役として使われています。ゴリゴリと音を立てて回る石臼でコーヒーを挽くのはかなり珍しく、せっかくなので体験させてもらいました。
ずっしりとした重さの石臼を回す度にコーヒー豆の潰れるプチっとした独特の感触。ミルを使うのとは一味違うゴリゴリプチプチと楽しい感覚となっています。
こちらの石臼、あまり効率的とはいえないので、お客さんの少ない時間を見計らっては、コーヒーを挽いているそうです。
![実際に辞書に掲載されているようすのコピー [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/08/20240804-houkado07.jpg)
日本最古の喫茶店として歴史の教科書や辞書にも登場する『放香堂珈琲』。今も石臼の回るお店は、旅行で神戸に行く場合や関西でカフェ巡りをする際に、ぜひ気軽に立ち寄ってみて下さい。
(撮影・文◎けいたろう)
●SHOP INFO
放香堂加琲
住:兵庫県神戸市中央区元町通3-10-6
TEL:078-321-5454
営:9:00~18:00(L.O. 17:30)
※11:00までモーニングサービスあり
休:不定休
https://www.hokodocoffee.com/
●著者プロフィール
けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。